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※本サイトに掲載する情報・データは治療薬の開発動向を知ることを主な目的として掲載しており、個別の患者さんとその治療に関して特定の治療法などを推奨するものではありません。治療に関しての判断は、主治医などの医療者とご相談のうえご自分でなさってください。
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(癌・悪性腫瘍) |
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がんに関する統計 |
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死亡数 |
総数32 万5,941 人(全死因に対し30.1%) :人口動態調査(2005年)
日本人の3人に1人ががんで死亡 |
罹患数 |
53 万人(男性30.5 万人、女性22.5 万人)
男性で多い部位:胃、大腸、肺、肝臓、前立腺
女性で多い部位:大腸、乳房、胃、子宮、肺 |
生涯リスク |
男性46.3%、女性34.8%
“日本人男性の2人に1人、女性の3人に1人ががんになる” |
受療・患者 |
継続的な医療を受けている者は128 万人 |
がん医療費 |
2 兆3,306 億円(全体の9.6%) |
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がんに関する統計 2006年 厚生労働省資料 |
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抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン |
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(平成17 年11 月01 日 薬食審査発第1101001 号)より抜粋
第T相試験
第T相試験は非臨床試験成績を基に治験薬を初めてヒトに投与する段階である。非臨床試験で観察された事象に基づき、用量に依存した治験薬の安全性を検討するのが主な目的で、治験薬の投与経路、投与スケジュール、最大耐量(MTD)又は最大許容量(MAD)、用量制限毒性(DLT)、薬物動態と毒性の関連性、第U相試験における推奨用量を求める。(一般的な薬剤の第T相試験は、健常成人男子ボランティアを対象として行うが、)毒性が強い抗悪性腫瘍薬の第T相試験では、健康な人ではなく、がん患者を対象とすべきである。また、一般的に認められた標準的治療法によって延命や症状緩和が得られる可能性のあるがん患者を対象とすべきではない。
第U相試験
第U相試験は、特定の癌腫に対する有効性、安全性を評価するために実施される試験で、対象とする癌腫における治験薬の臨床的意義のある治療効果(通常、腫瘍縮小効果)、及び安全性を評価する。
第V相試験
第V相試験は、より優れた標準的治療法を確立するために行われる臨床試験である。第U相試験において安全性と腫瘍縮小効果、又は何らかのメリット(症状緩和効果等)が確認された新規抗悪性腫瘍薬の単独又は併用療法と適切な対照群との比較試験である。患者数が多い癌腫(非小細胞肺癌、胃癌、大腸癌、乳癌等)を対象とした抗悪性腫瘍薬では、それぞれの癌腫について延命効果を中心に評価する第V相試験の成績を承認申請時に提出することを必須とする。 |
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肺がん治療薬 |
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肺がんは、がんの中でも最も予後の不良なものの一つとされており、日本では、2005年の年間新規肺がん罹患患者数として約85,000 人が推計されています。 |
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一般名 |
ブランド名 |
薬効等 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
EGFRチロシンキナーゼ阻害 |
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ゲフィチニブ |
イレッサ |
非小細胞肺がん |
アストラゼネカ |
143億円
(2009/12) |
2002年 世界に先駆けて日本で承認
2010年 世界売上 393百万$ |
塩酸エルロチニブ |
タルセバ |
進行性非小細胞肺がん
脾臓がん |
ロシュ/中外製薬 |
83億円
(2011/12) |
2007/10/22 国内承認
2012年 世界売上 1,314百万CHF
OSI Pharmaceuticals社起源 |
抗EGFRモノクローナル抗体 |
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セッキシマブ |
アービタックス |
非小細胞肺がん |
ブリストル・マイヤーズ スクイブ |
- |
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ハニツムマブ |
ベクティビックス |
非小細胞肺がん |
アムジェン、武田 |
- |
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pan-HERチロンシンキナーゼ阻害 |
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不可逆的ErbBファミリー阻害薬
アファチニブ |
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肺がん治療薬 |
ベーリンガーインゲルハイム |
- |
2012/06/04 臨床試験の成績 |
ダコミチニブ |
PF-00299804 |
肺がん治療薬 |
ファイザー |
- |
2014/01/29 P3結果を発表 |
neratiniv |
PF-0528767 |
肺がん治療薬 |
ファイザー |
- |
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pan-HER/VEGFR2チロンシンキナーゼ阻害 |
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BMS-690514 |
非小細胞肺がん |
ブリストル・マイヤーズ スクイブ |
- |
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HER二量体化阻害モノクローナル抗体 |
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pertuzumab |
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非小細胞肺がん |
ジェネンテック |
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VEGFRチロシンキナーゼ阻害 |
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cediranib |
AZD2171 |
非小細胞肺がん |
アストラゼネカ |
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pazopanib |
ヴォトリエント錠 |
非小細胞肺がん |
グラクソ・スミスクライン |
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抗VEGF受容体 ・2抗体 |
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血管新生阻害剤
Ramucirumab |
IMC-1121B |
転移性胃がん 非小細胞肺がん |
イーライリリー・アンド・カンパニー |
- |
2012/10/16 第III相試験の主要評価項目を達成 |
Pan-VEGFR阻害
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抗悪性腫瘍剤/キナーゼ阻害剤
アキシチニブ |
インライタ |
非小細胞肺がん
根治切除不能又は転移性の腎細胞がん |
ファイザー |
- |
2012/08/30 国内発売 |
VEGFR+線維 芽細胞成長因子 (FGF)受容体 チロシンキナー ゼ阻害阻害 |
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BMS582664 |
非小細胞肺がん |
ブリストル・マイヤーズ スクイブ |
- |
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VEGFR+EGFR +RET チロシンキナーゼ阻害 |
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バンデタニプ |
AZD6474 |
非小細胞肺がん |
アストラゼネカ |
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VEGF、血小板由来成長因子(PDGF)、 FGF受容体のトリプ ル阻害 |
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nintedanib |
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肺がん治療薬 |
ベーリンガーインゲルハイム |
- |
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未分化リンパ腫リン酸化酵素阻害 |
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ALK阻害剤
クリゾチニブ |
ザーコリ
(経口剤)
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非小細胞肺がん |
ファイザー |
- |
2012/10/26 欧州承認
2012/03/30 国内承認
2011/05/17 日米同時申請
ALK阻害剤の世界初の化合物 |
ALK阻害剤 |
AF802 |
非小細胞肺がん |
ロシュ/中外製薬 |
- |
Phase2
ザーコリの次世代薬 |
MEKI、 2阻害 |
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trametinib |
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非小細胞肺がん |
グラクソ・スミスクライン |
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日本たばこ産業起源 |
抗葉酸受容体α抗体 |
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farletuzumab |
MORAb・003 |
非小細胞肺がん |
エーザイ |
- |
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抗PDL抗体 |
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完全ヒト型抗PD-1抗体 |
ONO-4538/
BMS-936558 |
非小細胞肺がん、
転移性悪性黒色腫、
腎細胞がん |
BMS
小野薬品工業 |
- |
2012/06/04 第T相臨床試験の成績 |
肝細胞増殖因子(HGF)受容体チロシンキナーゼ阻害 |
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c-Met受容体チロシンキナーゼ選択的阻害剤
tivantinib |
ARQ 197
(経口可能な低分子) |
非小細胞肺がん |
第一三共/
ArQule |
- |
2012/10/02 第3相臨床試験の中止 |
c-Met受容体チロシンキナーゼ選択的阻害剤
tivantinib |
ARQ 197
(経口可能な低分子) |
非小細胞肺がん |
協和発酵キリン/
ArQule |
- |
2012/08/30 患者登録一時中断(併用試験で間質性肺疾患の発症) |
その他の作用機序 |
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天然由来化合物の合成類似化合物
エリブリンメシル酸塩 |
ハラヴェン |
非小細胞肺がん |
エーザイ |
- |
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カルボプラチン |
パラプラチンほか |
非小細胞肺がん |
ブリストル・マイヤーズ スクイブほか |
- |
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パクリタキセル |
タキソール |
非小細胞肺がん |
ブリストル・マイヤーズ スクイブ |
- |
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分子標的治療薬・抗体医薬
ベバシズマブ |
アバスチン
Avastin
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進行・再発の非小細胞肺がん
進行・再発の結腸・直腸がん
腎細胞がん |
ジェネンテック/ロシュ/中外製薬 |
564億円
(2011/12) |
2009/11/09 国内承認
2012年 世界売上 5,764百万CHF |
代謝拮抗性抗悪性腫瘍剤
ペメトレキセドナトリウム水和物 |
アリムタ
Alimta
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悪性胸膜中皮腫
非小細胞肺がん |
イーライリリー |
307億円
(2011/12) |
2007/01/19 国内発売
2012年 世界売上 2,594百万$ |
ゲムシタビン |
ジェムザール Gemzar |
非小細胞肺がん、
手術不能または再発乳がん、膵がん、胆道がん、尿路上皮がん |
イーライリリー |
196億円
(2010/12) |
1999/03/12 国内承認
膵臓がん治療の第一選択薬
2010年 世界売上 1,149百万$ |
植物由来
ドセタキセル |
タキソテール* |
非小細胞肺がん |
サノフィ・アベンティス |
- |
タキサン系の抗がん剤※3
乳がんの化学療法の標準的な治療薬
2010年 世界売上 2,122百万£ |
(植物抽出物由来)
トポイソメラーゼ阻害剤
ノギテカン塩酸塩 |
ハイカムチン |
小細胞肺がん |
グラクソ・スミスクライン/日本化薬(販売) |
- |
欧米においては卵巣癌、小細胞肺癌及び子宮頸癌の治療薬として承認。
日本では2001年より小細胞肺癌の効能で製造販売
2010年 世界売上 144百万£ |
シスプラチン |
ブリプラチン
ランダ |
非小細胞肺がん他 |
ブリストル・マイヤーズ
日本化薬 |
-
12億円
(2012/05) |
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エトポシド |
ベプシド
ラステット |
非小細胞肺がん他 |
ブリストル・マイヤーズ
日本化薬 |
-
10億円
(2012/05) |
メギ科の植物であるポドフィルムをもとに作られた抗がん剤
日本では、1980年代に登場 |
テガフール(Tegafur)
ウラシル(Uracil)配合 |
ユーエフティ |
非小細胞肺がん他 |
大鵬薬品工業 |
157億円
(2011/03) |
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抗悪性腫瘍性抗生物質
アントラサイクリン系
アムルビシン塩酸塩 |
カルセド |
非小細胞肺がん
小細胞肺がん |
大日本住友製薬
(日本化薬が販売) |
- |
2012/09/05 中国申請
2002/12 国内で販売を開始
欧米では導出先の米セルジーン社が臨床試験を実施 |
motesanib diphosphate |
AMG706 |
進行非扁平上皮非小細胞肺がん |
武田薬品工業
ミレニアム・ファーマシューティカルズ |
- |
2012/05/21 アジア共同臨床第3相試験の開始 |
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※肺がんに対する分子標的治療の動向 科学技術動向 2010年7月号 科学技術動向研究センター
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乳がん治療薬 |
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世界保健機関(WHO)によると、乳がんは、世界各国、性別に関係なく、肺がんに次いで2番目に罹患率の高いがんです。毎年100万人が新たに乳がんと診断され、40万人以上の女性がなくなっていると報告されています。また、早期乳がんとして診断される女性は30万人以上と推定されています。
日本においても乳がんの新規罹患者数は年々増加しており、2010 年の年間新規乳がん罹患患者数は45,000人強と推計されています。 |
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一般名 |
ブランド名 |
薬効等 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
抗HER2ヒト化モノクローナル抗体
トラスツズマブ
(trastuzumab emtansine) |
ハーセプチン
Herceptin
(分子標的治療薬・抗体医薬) |
HER2乳がん
進行・再発胃がん |
ジェネンテック/ロシュ/中外製薬 |
259億円
(2011/12) |
2001/06 国内承認
2012年 世界売上 5,889百万$ |
抗HER2ヒト化モノクローナル抗体
pertuzumab
ペルツズマブ |
Perjeta パージェタ |
転移性乳がん |
ロシュ/中外製薬 |
- |
2013/06/28 国内承認
2013/03 欧州承認
2012/06 米国承認
Herceptinの作用を補完 |
分子標的治療薬・抗体医薬
ベバシズマブ |
アバスチン
Avastin |
進行・再発の非小細胞肺がん
進行・再発の結腸・直腸がん
腎細胞がん
手術不能又は再発乳癌 |
ロシュ/中外製薬 |
564億円
(2011/12) |
2011/09/26 国内追加承認
2009/11/09 国内承認 2012年 世界売上 5,764百万$ |
植物由来
ドセタキセル |
タキソテール* |
乳がん
非小細胞肺がん、胃がん、頭頸部がん、卵巣がん、食道がん、子宮体がん、前立腺がん |
サノフィ・アベンティス |
- |
タキサン系の抗がん剤※3
乳がんの化学療法の標準的な治療薬
2010年 世界売上 2,122百万£ |
カペシタビン
(capecitabine) |
ゼローダ
(Xeloda) |
手術不能または再発乳癌、
治癒切除不能な進行・再発の胃癌、
結腸癌における術後補助化学療法、
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌 |
ロシュ/中外製薬 |
100億円
(2011/12) |
2012年 世界売上 1,523百万CHF |
アナストロゾール |
アリミデックス |
閉経後乳がん |
アストラゼネカ |
210億円
(2008/12) |
2010年 世界売上 1,512百万$ |
フルベストラント |
フェソロデックス筋注250mg |
閉経後乳がん |
アストラゼネカ |
- |
2011/09/26 国内追加承認 |
EGFR(ErbB1)とHER2の2つのチロシン・キナーゼ受容体を阻害する経口の低分子化合物
ラパチニブトシル酸塩水和物
(lapatinib) |
タイケルブ
(経口剤) |
ErbB2陽性の乳がん |
グラクソ・スミスクライン |
- |
2008/06/23 欧州承認
2009/06/19 国内承認
2010年 世界売上 227百万£ |
ゲムシタビン |
ジェムザール Gemzar |
手術不能または再発乳がん、
非小細胞肺がん、膵がん、胆道がん、尿路上皮がん |
イーライリリー |
196億円
(2010/12) |
2010/02/10 国内承認
膵臓がん治療の第一選択薬
2010年 世界売上 1,149百万$ |
パクリタキセル
(アルブミン懸濁型) |
アブラキサン |
乳がん |
大鵬薬品工業 |
- |
2010/09/17 国内販売
2005年1月 米国FDA承認
アブラキシス・バイオサイエンス・インク(現Celgene)起源 |
天然由来化合物の合成類似化合物
エリブリンメシル酸塩 |
ハラヴェン |
局所進行性・転移性乳がん |
エーザイ |
- |
2011/05/17 スイス承認
2011/04/22 日本承認
2011/03/22 欧州承認
2011/02/10 シンガポール承認
2010/11/16 米国承認
新規メカニズムを有する微小管ダイナミクス阻害剤 |
トレミフェンクエン酸塩 |
フェアストン |
乳がん |
日本化薬 |
16億円
(2012/5) |
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抗体薬物複合体トラスツズマブ エムタンシン(遺伝子組換え)(別称:T-DM1) |
kadeyla |
HER2陽性転移・再発乳がん |
中外製薬 |
- |
2013/01/25 国内申請
ポスト トラスツズマブと称される
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mTOR阻害剤
エベロリムス |
アフィニトール
Afinitor/Votubia |
乳がん、
転移性腎細胞がん |
ノバルティス ファーマ |
- |
2012年 世界売上 797百万$
2012/06/29 EUにおける承認勧告取得
2010/01/20 国内P3
膵内分泌腫瘍、悪性リンパ腫、胃がん、乳がんを対象に第III相の国際共同治験に参加 |
抗HER2抗体チューブリン重合阻害剤複合体
トラスツズマブ エムタンシン |
カドサイラR点滴静注 |
HER2陽性の手術不能又は再発乳がん |
ロシュ/中外製薬 |
- |
2014/04/17 国内販売 |
ペグフィルグラスチム |
KRN125 |
乳がん |
協和発酵キリン |
- |
2013/01/25 国内第V相臨床試験結果
がん化学療法による好中球減少症の治療薬であるG-CSF製剤注2「グラン(一般名:フィルグラスチム)」をペグ化注3した長期持続型のG-CSF製剤 |
有効成分パクリタキセルを高分子ミセルに内包した新規DDS製剤 |
NK105 |
転移・再発乳がん |
日本化薬 |
- |
2012/07/17 第V相臨床試験を開始 |
上皮成長因子受容体(EGFR/HER1)やHER2などのErbBファミリーを選択的かつ不可逆的に阻害する経口剤
afatinib
アファチニブ |
Tomtovok
(新規経口分子標的薬) |
HER2陽性転移性乳がん |
ベーリンガーインゲルハイム |
- |
2010/09/17 第V相臨床試験を開始 |
サイクリン依存性キナーゼ(CDK) 4および6を選択的に阻害
palbociclib |
PD-0332991
(経口薬) |
乳がん |
ファイザー |
- |
2013/04/10 FDAが画期的治療薬に指定 |
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大腸がん治療薬 |
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日本では過去50年間に大腸がん(CRC)の発生率が非常に増加しており、現在では年間罹患数は95,651人です。CRCは女性で最も多いがんであり、男性では胃がんに次いで2番目になっています。CRCは日本におけるがんのなかで3番目に多い死亡原因であり、がんによる死亡の7人に1人に相当します。この数字には初診で切除不能な転移性CRCと診断される患者数(約25%)が含まれます。 |
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一般名 |
ブランド名 |
薬効等 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
分子標的治療薬・抗体医薬
ベバシズマブ |
アバスチン
Avastin |
進行・再発の非小細胞肺がん
進行・再発の結腸・直腸がん
腎細胞がん |
ジェネンテック/ロシュ/中外製薬 |
564億円
(2011/12) |
2007/04/18 国内承認
2012年 世界売上 5,764百万$ |
オキサリプラチン |
エロキサチン/エルプラット |
結腸・直腸 |
サノフィ・アベンティス/ヤクルト |
292億円
(2011/3) |
2005/04/05 国内発売
2010年 世界売上 427百万$
特許有効期限2020年1月まで延長 |
カペシタビン |
ゼローダ
(Xeloda) |
結腸癌における術後補助化学療法、
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌、
手術不能または再発乳癌、
治癒切除不能な進行・再発の胃癌、 |
ロシュ/中外製薬 |
100億円
(2011/12) |
2012年 世界売上 1,523百万CHF |
分子標的治療薬・抗体医薬
アービタックス |
セツキシマブ |
転移性結腸・直腸癌 |
ブリストル・マイヤーズ スクイブ(米、加)/
メルクセローノ(米、加以外) |
- |
2008/07/16 国内承認
2010/07/02 最新版「大腸癌治療ガイドライン」で一次治療薬に推奨
イムクローン・システムズ社起源 |
分子標的治療薬・抗体医薬
抗EGFR完全ヒト抗体
パニツムマブ |
ベクティビックス点滴静注 |
進行・再発の結腸・直腸がん |
アムジェン
武田薬品工業 |
172億円
(2012/3) |
2010/04/16 国内承認 |
フッ化ピリミジン系抗癌剤 |
ティーエスワン (経口剤) |
結腸・直腸がん、
胃がん、頭頸部がん、非小細胞肺がん、手術不能又は再発乳がん、膵がん、胆道がん |
大鵬薬品工業 |
371億円
(2011/3) |
日本では1999年より発売 |
塩酸イリノテカン |
カンプト/トポテシン |
結腸・直腸 |
ヤクルト/第一三共 |
29億円
(2011/3) |
小細胞肺癌、非小細胞肺癌、子宮頚癌、卵巣癌、有棘細胞癌、悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)、胃癌、大腸癌、乳癌
2009年7月特許満了
2010年 世界売上 48億円 |
アフリベルセプト
aflibercept |
ZALTRAP
VEGF Trap |
結腸・直腸がん |
サノフィ・アベンティス
Regeneron Pharmaceuticals, Inc. |
- |
2013/02/05 EU承認
2012/04/05 承認申請状況および臨床試験の最新情報
2011/06/06 第III相VELOUR試験の成績 |
レゴラフェニブ
regorafenib |
スチバーガ錠
Stivarga |
結腸・直腸がん |
バイエル ヘルスケア
Onyx |
- |
2013/09/05 欧州申請
2012/09/27 米国承認 |
新規代謝拮抗性抗悪性腫瘍剤(配合) |
TAS-102
(経口剤) |
結腸・直腸がん |
大鵬薬品工業 |
- |
2012/05/31 グローバル臨床第III相試験開始 |
c-Met受容体チロシンキナーゼ選択的阻害剤
tivantinib |
ARQ 197
(経口可能な低分子) |
大腸がん |
第一三共/
ArQule |
- |
2013/01/15 第2相臨床試験のの結果(目標値達成せず)
2008/12 ArQuleと中国(香港含む)、韓国、台湾を除く全世界でARQ 197の共同開発・商業化のライセンス契約を締結 |
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胃がん治療薬 |
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一般名 |
ブランド名 |
薬効等 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
抗HER2ヒト化モノクローナル抗体
トラスツズマブ |
ハーセプチン
(分子標的治療薬・抗体医薬) |
進行・再発胃がん
HER2乳がん |
ロシュ/中外製薬 |
259億円
(2011/12) |
2010/01 欧州で承認
2011/03/10 国内承認
2012年 世界売上 5,889百万$ |
カペシタビン |
ゼローダ
(Xeloda) |
治癒切除不能な進行・再発の胃癌、
手術不能または再発乳癌、
結腸癌における術後補助化学療法、
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌 |
ロシュ/中外製薬 |
100億円
(2011/12) |
2010/08/30 公知申請
2012年 世界売上 1,523百万CHF |
フッ化ピリミジン系抗癌剤 |
ティーエスワン
(経口剤) |
胃がん、
頭頸部がん、結腸・直腸がん、非小細胞肺がん、手術不能又は再発乳がん、膵がん、胆道がん |
大鵬薬品工業 |
371億円
(2011/3) |
2011/03/15 進行性胃がんの一次治療薬として欧州で承認
日本では1999年より発売 |
植物由来
ドセタキセル |
タキソテール* |
乳がん
非小細胞肺がん、胃がん、頭頸部がん、卵巣がん、食道がん、子宮体がん、前立腺がん |
サノフィ・アベンティス |
- |
タキサン系の抗がん剤※3
乳がんの化学療法の標準的な治療薬
2010年 世界売上 2,122百万£ |
シスプラチン |
ブリプラチン
ランダ |
睾丸腫瘍、膀胱癌、腎盂・尿管腫瘍、前立腺癌、卵巣癌、頭頸部癌、非小細胞肺癌、食道癌、子宮頸癌、神経芽細胞腫、胃癌、小細胞肺癌、骨肉腫、胚細胞腫瘍(精巣腫瘍、卵巣腫瘍、性腺外腫瘍) |
ブリストル・マイヤーズ)
日本化薬 |
19億円
(2010/05) |
|
抗VEGFR‐2ヒトIgG1型モノクロナール抗体:血管新生阻害剤
Ramucirumab
ラムシルマブ |
IMC-1121B |
転移性胃がん |
イーライリリー・アンド・カンパニー |
- |
2012/10/16 第III相試験の主要評価項目を達成 |
mTOR阻害剤
エベロリムス |
アフィニトール
Afinitor/Votubia |
胃がん、
転移性腎細胞がん |
ノバルティス ファーマ |
- |
2012年 世界売上 797百万$2010/01/20 国内P3
膵内分泌腫瘍、悪性リンパ腫、胃がん、乳がんを対象に第III相の国際共同治験に参加 |
c-Met受容体チロシンキナーゼ選択的阻害剤
tivantinib:チバンチニブ |
ARQ 197 |
胃がん |
協和発酵キリン/
ArQule |
- |
P2開始(日本ならびにアジアの一部(中国、韓国および台湾) |
|
|
前立腺がん治療薬 |
|
前立腺がんは世界で3番目に多いがんであり、男性のがんによる死亡率の第6位を占めています。国際がん研究機関によると、欧州では2004年に23万8,000人の男性が前立腺がんと診断され、8万5,000人が前立腺がんによって死亡しました。
米国では、2007年には約21万9,000人の男性が前立腺がんと診断され、2万7,000人以上がこの疾患によって死亡すると予測されています。欧州連合(EU)では、毎年20万人以上の男性が新たに前立腺がんと診断され、6万人以上が前立腺がんによって死亡すると予測されています。
前立腺がんの発生率は年齢とともに上昇するため、社会の高齢化が進むにつれ前立腺がんの患者の数もさらに増加することが予想されます。
日本人男性の前立腺がん罹患数(2005年)は3万7,060人と推計されており、男性では胃がん、大腸がん、肺がん、肝臓がんに次いで5番目に多く、死亡率は6番目に高いがんです。2
高齢者人口の増加に伴い、日本における前立腺がんの罹患数はこれからも増加すると予想されています。 |
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一般名 |
ブランド名 |
薬効等 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
酢酸リュープロレリン |
リュープリン |
前立腺癌・閉経前乳癌・子宮内膜症・子宮筋腫 |
武田薬品工業 |
678億円
(2012/3) |
2012/3 世界売上 1,207億円 |
植物由来
ドセタキセル |
タキソテール* |
前立腺がん、
乳がん、非小細胞肺がん、胃がん、頭頸部がん、卵巣がん、食道がん、子宮体がん |
サノフィ・アベンティス |
- |
2008/09/01 国内承認
タキサン系の抗がん剤
2010年 世界売上 2,122百万£ |
ゴセレリン酢酸塩 |
ゾラデックス
Zoladex |
前立腺がん
閉経前乳がん |
アストラゼネカ |
- |
2012年 世界売上 1,093百万$ |
抗アンドロゲン剤
ビカルタミド |
カソデックス |
前立腺がん |
アストラゼネカ |
453億円
(2008/12) |
2010年 世界売上 579百万$ |
|
エストラサイト |
前立腺がん |
日本新薬 |
26億円
(2010/3) |
|
フルタミド |
オダイン |
前立腺がん |
日本化薬 |
31億円
(2012/5) |
|
酢酸アビラテロン
(Abiraterone Acetate) |
ZYTIGA |
転移性の去勢抵抗性前立腺がん |
Johnson & Johnson |
未発売 |
2012/06/04 試験結果
2011/04/28 米国承認 |
デガレリクス酢酸塩 |
ゴナックス皮下注用 |
GnRHアンタゴニスト/
前立腺がん治療剤 |
アステラス製薬 |
- |
2012/10/22 国内販売 |
第二世代の抗アンドロゲン剤
p-INN |
エンザルタミド
XTANDI
(経口剤) |
前立腺がん |
Medivation/
アステラス製薬 |
- |
2013/06/24 欧州承認取得
2012/09/14 米国発売
2009/10/28 米Medivation社より導入 |
非ステロイド系の男性ホルモン合成酵素阻害薬 |
TAK-700 |
進行性前立腺がん |
武田薬品工業 |
- |
2013/07/26 臨床第3相試験の中間解析に基づく 盲検解除
2012/06/05 臨床試験の最新データ
2012/01/27 日本 P3開始
2010/11/04 米国 P3開始 |
Alpharadin |
|
前立腺がん |
Bayer |
- |
2011/06/06 米国P3で良好な結果 |
がんペプチドワクチン「ITK-1」 |
テーラーメイド型がんペプチドワクチン「ITK-1」 |
前立腺がん |
富士フイルム |
- |
2013/07/03 国内第III 相臨床試験開始 |
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肝がん、肝細胞がん治療薬 |
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肝がんは世界で6番目に罹患率の高いがんで、毎年新たに60万人以上が肝がんと診断されます。わが国での肝がんの罹患者数は毎年新たに約4万人であり、約3万5千人の方が死亡しており、がんによる死因の第3位です。
原発性肝がんは、肝細胞がんと胆管細胞がんに大別でき、うち約94%が肝細胞がんです。肝細胞がんの多くはB型およびC型肝炎ウイルスへの感染が原因であり、日本ではC型肝炎ウイルスへの感染が肝がんの発症原因の約67%を占めています。
肝細胞がんは、根治術後の再発率が比較的高いことが知られており、初発C型肝炎ウイルス陽性肝細胞がん治療後1年目までで24%、3 年目までで76%、5年目までで92%と報告されています。 |
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一般名 |
ブランド名 |
薬効等 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
分子標的治療薬
ソラフェニブ |
ネクサバール
(経口剤) |
肝細胞がん、
根治切除不能または転移性の腎細胞がん |
バイエル薬品 |
- |
バイエルとオニキス・ファーマシューティカル社で共同開発 |
ミリプラチン水和物 |
ミリプラ |
肝細胞がん |
大日本住友製薬 |
13億円
(2012/3) |
2009/10/16 国内承認 |
c-Met受容体チロシンキナーゼ選択的阻害剤
tivantinib:チバンチニブ |
ARQ 197 |
肝細胞がん |
第一三共
ArQule |
- |
2013/02/01 第3相臨床試験開始(日本、中国(香港を含む)、韓国、台湾を除く全世界)
2012/06/04 第2相臨床試験結果 |
ペレチノイン |
NIK-333 |
肝細胞がん再発抑制剤 |
興和 |
- |
2010/05/24 国内申請準備中 |
c-Met受容体チロシンキナーゼ選択的阻害剤
tivantinib:チバンチニブ |
ARQ 197 |
肝細胞がん |
協和発酵キリン/
ArQule |
- |
P1開始(日本ならびにアジアの一部(中国、韓国および台湾) |
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腎細胞がん治療薬 |
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腎臓に発生する悪性腫瘍のひとつで尿細管上皮細胞ががん化したものです。好発年齢は50歳以降で男女比は約2:1です。日本における腎細胞癌の患者数は10,000人以上と言われています。近年、CTや腹部超音波検査などの画像診断技術の進歩と検診の普及などにより早期に発見される症例が増えています。手術による病巣の切除が治療の基本ですが、根治切除不能または転移性の進行例の場合は、これまで有効な治療法はありませんでした。 |
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一般名 |
ブランド名 |
薬効等 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
分子標的治療薬
ソラフェニブ |
ネクサバール
(経口剤) |
肝細胞がん、
根治切除不能または転移性の腎細胞がん |
バイエル薬品 |
- |
2008/01 国内承認
バイエルとオニキス・ファーマシューティカル社で共同開発 |
分子標的治療薬・抗体医薬
ベバシズマブ |
アバスチン
Avastin |
進行・再発の非小細胞肺がん
進行・再発の結腸・直腸がん
腎細胞がん |
ジェネンテック/ロシュ/中外製薬 |
564億円
(2011/12) |
2012年 世界売上 5,764百万$ |
mTOR阻害剤
エベロリムス |
アフィニトール
Afinitor/Votubia |
根治切除不能又は転移性の腎細胞がん |
ノバルティス ファーマ |
- |
2012年 世界売上 797百万$
2010/04/16 国内販売
2011年12月に膵神経内分泌腫瘍の治療薬として承認
結節性硬化症に対しては現在申請中
|
キナーゼ阻害剤
スニチニブリンゴ酸塩 |
スーテント
Sutent |
根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
イマチニブ抵抗性の消化管間質腫瘍 |
ファイザー |
- |
2008/04/18 国内承認
2012年 世界売上 1,236百万$ |
mTOR阻害剤
テムシロリムス |
トーリセル |
根治切除不能又は転移性の腎細胞癌 |
ファイザー |
- |
2010/09/17 国内発売 |
抗悪性腫瘍剤/キナーゼ阻害剤
アキシチニブ |
インライタ |
根治切除不能又は転移性の腎細胞癌 |
ファイザー |
- |
2012/08/30 国内発売 |
ANYARA
interferon-alpha併用薬 |
|
腎細胞がん |
Active Biotech AB |
- |
2013/01/29 Phase II/III 結果発表 |
抗体医薬 |
AGS-16M8F |
転移性腎細胞がん |
アジェンシス(米国):アステラス製薬系列 |
- |
2010/09/01 米国P1開始 |
トリプル血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体阻害剤
チボザニブ(Tivozanib) |
ASP4130
(経口剤) |
進行性腎細胞がん |
アステラス製薬
AVEO Oncology |
- |
2012/09/28 米国申請
2012/05/17 第III相臨床試験(TIVO-1)の良好な試験結果 |
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卵巣がん治療薬 |
|
卵巣がんは自覚症状が乏しいことなどから、早期発見が困難であり、予後不良の腫瘍の一つであるといわれています。また、その罹患患者数は年々増加傾向にあり、同様に死亡者数も増加しています。加えて、罹患患者の年齢が他のがん腫と比較して低く、ピーク罹患年齢は50〜54歳といわれているため、再発の可能性が比較的高く再発した際に使用できる薬剤も少ないことから、海外における再発卵巣がんの標準治療薬の承認が待ち望まれています。 |
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一般名 |
ブランド名 |
薬効等 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
ドキソルビシン塩酸塩 |
ドキシル |
がん化学療法後に増悪した卵巣がん |
ヤンセンファーマ |
- |
2009/04/23 国内承認
1999年の米国を皮切りに世界約80カ国で承認 |
植物由来
ドセタキセル |
タキソテール* |
卵巣がん
胃がん
子宮体がん
食道がん
頭頸部がん
非小細胞肺がん
乳がん |
サノフィ・アベンティス |
- |
タキサン系の抗がん剤※3
乳がんの化学療法の標準的な治療薬
2010年 世界売上 2,122百万£ |
ゲムシタビン塩酸塩 |
ジェムザール Gemzar |
がん化学療法後に増悪した卵巣癌 |
イーライリリー |
196億円
(2010/12) |
2010/08/30 公知申請 |
ノギテカン塩酸塩 |
ハイカムチン |
がん化学療法後に増悪した卵巣癌 |
日本化薬/グラクソ・スミスクライン |
- |
2010/08/30 公知申請
2010/09/03 国内申請
2010年 世界売上 144百万£ |
分子標的治療薬・抗体医薬
ベバシズマブ |
アバスチン
Avastin |
進行・再発の非小細胞肺がん
進行・再発の結腸・直腸がん
腎細胞がん |
ジェネンテック/ロシュ/中外製薬 |
564億円
(2011/12) |
2011/06/09 再発卵巣がんの病勢進行のリスクを半減
2012年 世界売上 5,764百万$ |
モノクローナル抗体
farletuzumab
ファルレツズマブ |
MORAb-003 |
卵巣がん |
エーザイ |
- |
2013/01/11 第III相臨床試験の速報結果
2012年度欧米申請予定 |
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膵臓がん治療薬 |
|
すい臓がんは進行が早く、また発見されにくいがんです。そのため、発見された時にはすでにがんがかなり進行しており、手術が行えないケースが少なくありません。一般的にすい臓がんがステージWa、Wbでは手術が難しく、抗がん剤治療や放射線治療が行われます。 |
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一般名 |
ブランド名 |
薬効等 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
ゲムシタビン |
ジェムザール Gemzar |
膵臓がん(膵がん)
胆道がん
非小細胞肺がん
再発・進行乳がん |
イーライリリー |
196億円
(2010/12) |
膵臓がん治療の第一選択薬 |
パクリタキセル |
アブラキサン |
転移性膵臓がん |
Celgene |
- |
2013/09/06 FDA承認 |
薬物複合体(ADC) |
ASG-5ME |
転移性脾臓がん |
Seattle Genetics
アステラス製薬 |
- |
2013/01/25 P1試験の成績を発表 |
分子標的治療薬・低分子薬
エルロチニブ |
タルセバ |
進行性非小細胞肺がん
脾臓がん |
ロシュ/中外製薬 |
83億円
(2011/12) |
2009/09/18 膵がんに対する効能・効果追加の承認申請
2012年 世界売上 1,314百万CHF
OSI Pharmaceuticals社起源 |
フッ化ピリミジン系抗癌剤 |
ティーエスワン
(経口剤) |
胃がん、
頭頸部がん、結腸・直腸がん、非小細胞肺がん、手術不能又は再発乳がん、膵がん、胆道がん |
大鵬薬品工業 |
- |
2011/06/08 臨床試験(GEST) 結果を米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表 |
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多発性骨髄腫(MM)治療薬 |
|
多発性骨髄腫は、血液がんの中で2番目に多い疾患です。国際骨髄腫財団(IMF)によると、全世界での多発性骨髄腫の総患者数は、約750,000人と推測されています。厚生労働省の統計によると日本での多発性骨髄腫の総患者数は約11,000人で、毎年約4,000人が新たに診断されています。 |
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骨髄性白血病(CML)治療薬 |
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慢性骨髄性白血病(CML)は、体内で無数の異常な白血球が生成される、ゆっくり進行するタイプの白血病です。最新の統計では、米国で約22,475人がこの病気に罹患しています。2009年には、5,050人が新たにCMLと診断されたと推定されます。 CMLは、2つの異なる染色体が切断され、互いに結合することによって発症します。この新たに生じた染色体はフィラデルフィア陽性染色体と呼ばれ、過剰な白血球細胞を生成するよう細胞にシグナルを送るBCR-ABLという異常な遺伝子を含んでいます。CMLを引き起こす遺伝子変化の原因は明らかにはなっていません。 |
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一般名 |
ブランド名 |
薬効等 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
分子標的治療薬・低分子薬
チロシンキナーゼ阻害剤
メシル酸イマチニブ |
グリベック
Gleevec/Glivec |
骨髄性白血病 |
ノバルティス ファーマ |
- |
2012年 世界売上 4,675百万$ |
分子標的治療薬
ニロチニブ塩酸塩水和物 |
タシグナ
Tasigna |
慢性骨髄性白血病 |
ノバルティス ファーマ |
- |
2012年 世界売上 998百万$
米国、欧州など世界50ヵ国以上で発売
2010/12/21 慢性骨髄性白血病の一次治療薬として国内承認
2009/01/21 国内承認
2010/08/28 慢性骨髄性白血病の一次治療薬としてスイスで承認 |
ダサチニブ水和物 |
スプリセル |
骨髄性白血病 |
ブリストル・マイヤーズ スクイブ/大塚製薬 |
- |
2011/06/16 慢性骨髄性白血病のファーストライン治療薬として承認
製造販売承認日:2009/1/21
2010/12/07:イマチニブとの比較試験の追跡結果
2010/06/08:イマチニブとの比較試験結果
2010年 世界売上 576百万$ |
三酸化ヒ素注射液 |
トリセノックス |
再発又は難治性の急性前骨髄球性白血病治療剤 |
日本新薬 |
- |
2004/12 国内販売
セファロン社起源 |
DNAメチル化阻害剤
decitabine |
Dacogen
(注射剤) |
急性骨髄性白血病 |
エーザイ |
- |
二次性骨髄異形成症候群(MDS)の適応で米国で承認を取得 |
NEDD8活性化酵素阻害薬として初めて臨床段階に進んだファーストインクラスの薬剤 |
MLN-4924 |
急性骨髄性白血病およびハイリスクの骨髄異形成症候群 |
ミレニアム/
(武田薬品工業) |
- |
2011/06/13 第1相試験データについて
|
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成人T細胞白血病(ATL)治療薬 |
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成人T細胞白血病(ATL)は、「HTLV−1」というウイルスが引き起こす血液のがん。国内の感染者数は100万〜200万人とみられる。感染から発症までの潜伏期間が長い(約50〜60年の潜伏期間)のが特徴で、5%程度が発症し、毎年約1100人が死亡する。他のタイプの白血病と比べて骨髄移植や抗がん剤が効きにくく、根本的な治療法は確立されていないが、6割以上は母乳を通じて感染することから、政府は妊婦健診でHTLV−1感染を調べる抗体検査費用を公費で負担している。ATLは白血病の中でも最も治療が難しい。現状の抗がん剤を組み合わせた治療では、発症した人の約半数が1年以内に死亡するとされている。ほかの感染症で死亡することが多い。抗がん剤を使う化学療法などが効きにくく、治療が難しいとされている。がん細胞は体外から侵入した異物ではないため、免疫細胞の攻撃を受けにくい。しかし、「NY―ESO―1」というたんぱく質があれば、免疫細胞が異物として攻撃することが分かっている。
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一般名 |
ブランド名 |
薬効等 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
ヒト化モノクローナル抗体
モガムリズマブ |
ポテリジオ点滴静注 |
成人T細胞白血病 |
協和発酵キリン |
- |
2012/03/30 国内承認
再発又は難治性のCCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)注1の治療薬 |
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悪性黒色腫(メラノーマ)治療薬 |
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悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚にある色素細胞(メラノサイト)の無秩序な増殖を特徴とする皮膚がんの一形態です。転移性悪性黒色腫は、この病気の中でも最も致死性が高く、皮膚表面だけでなく、他の臓器(リンパ節、肺、脳、その他の部分)にもがんが転移して起こります。一部のがん細胞は、免疫系の監視を積極的に逃れることがあり、そのために腫瘍が残ります。メラノーマは、早期に治療すれば、大部分が治癒可能です。しかしながら、末期では、平均生存期間はわずか6カ月間、1年死亡率は75%であり、最も侵襲性の高い病態を示すがんの1つとなっています。米国では年間8700人が死亡しています。 |
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一般名 |
ブランド名 |
薬効等 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
完全ヒト抗CTLA-4抗体製剤
ipilimumab(イピリムマブ) |
Yervoy |
切除不能または転移性悪性黒色腫 |
Bristol-Myers Squibb |
- |
2011/03/25 FDA承認 |
低分子医薬品
vemurafenib |
Zelboraf
(PLX4032)
(経口剤) |
転移性悪性黒色腫 |
Plexxikon
(第一三共) |
- |
2012/02/20 欧州承認
2011/08/18 FDA承認
Plexxikon社起源
ロシュグループと共同開発 |
BRAF阻害剤
dabrafenib
MEK阻害剤
trametinib |
TAFINLAR
MEKINIST |
BRAF V600遺伝子変異陽性の切除不能または転移性メラノーマ |
グラクソ・スミスクライン |
- |
2013/05/29 米国承認
2012/08/06 欧米申請
MEK阻害剤は日本たばこ産業起源 |
BRAF/MEK併用阻害剤
dabrafenib
trametinib |
|
BRAF陽性メラノーマ |
グラクソ・スミスクライン |
- |
2013/02/01 P3開始 |
ATP拮抗的BRAFキナーゼ阻害剤 |
GSK2118436 |
BRAFの変異を有する黒色腫の脳転移 |
グラクソ・スミスクライン |
- |
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NEDD8活性化酵素阻害薬 |
MLN4924 |
転移性黒色腫 |
Millennium Pharmaceuticals, Inc.
(武田薬品) |
- |
2011/06/07 臨床第1相試験データについて |
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悪性リンパ腫治療薬 |
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悪性リンパ腫は、白血球の中のリンパ球が悪性化したがんで、全身のリンパ節が腫れたり、腫瘤ができたりする病気です。この悪性リンパ腫には、大きく分けて「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」があります。ホジキンリンパ腫は、基本的にリードーシュテルンベルグ細胞やホジキン細胞など、特徴的な大型細胞が認められることで診断されます。悪性リンパ腫は、わが国では、年間10万人あたり7〜8人に発生しますが、ホジキンリンパ腫は約10%と少なく、大半が非ホジキンリンパ腫です。日本における非ホジキンリンパ腫の発症数は年間約12,000人と推定され、近年増加傾向であるとされています。 |
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一般名 |
ブランド名 |
薬効等 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
分子標的治療薬・抗体医薬
リツキシマブ |
リツキサン/マブセラ
MabThera/ Rituxan |
非ホジキンリンパ腫 |
バイオジェン・アイデック
/ロシュ/中外製薬 |
229億円
(2011/12) |
ヒトB細胞表面抗原の一つであるCD20を標的とするモノクローナル抗体。
2012年 世界売上 5,622百万$ |
ベンダムスチン塩酸塩 |
Symbenda |
再発または難治性の低悪性度非ホジキンリンパ腫
マントル細胞リンパ腫 |
シンバイオ
エーザイ |
- |
2010/12/10 国内販売
旧東独イエナファルマ社起源 |
新規のヒトモノクローナル抗体
オファツムマブ
Ofatumumab |
Arzerra |
難治性慢性リンパ性白血病 |
グラクソ・スミスクライン |
- |
2010/04/26 欧州承認 |
Brentuximab Vedotin
ブレンタキシマブ ベドチン |
アドセトリス |
再発・難治性のホジキンリンパ腫 |
Seattle Genetics, Inc./
Millennium Pharmaceuticals, Inc.
(武田薬品) |
- |
2014/04/17 国内販売
2013/02/01 カナダ承認
2012/10/31 欧州承認 |
糖鎖改変型タイプU抗CD20モノクローナル抗体
Obinutuzumab |
GA101 |
低悪性度および中高悪性度非ホジキンリンパ腫 |
Genentech, Inc.
中外製薬
日本新薬 |
- |
2013/01/31 P3試験にて慢性リンパ性白血病患者の生存期間延長を達成 |
ペグフィルグラスチム |
KRN125 |
悪性リンパ腫 |
協和発酵キリン |
- |
2013/01/25 国内第V相臨床試験結果
がん化学療法による好中球減少症の治療薬であるG-CSF製剤注2「グラン(一般名:フィルグラスチム)」をペグ化注3した長期持続型のG-CSF製剤 |
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その他のがん治療薬 |
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一般名 |
ブランド名 |
薬効等 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
植物由来
ドセタキセル |
タキソテール |
頭頸部がん
子宮体がん
食道がん |
サノフィ・アベンティス |
- |
タキサン系の抗がん剤※3
乳がんの化学療法の標準的な治療薬
2010年 世界売上 2,122百万£ |
植物抽出物由来
ノギテカン塩酸塩 |
ハイカムチン |
子宮頸がん |
グラクソ・スミスクライン
日本化薬 |
- |
欧米においては卵巣癌、小細胞肺癌及び子宮頸癌の治療薬として承認。
日本では2001年より小細胞肺癌の効能で製造販売
2010年 世界売上 144百万£ |
ミファムルチド |
メパクト |
非転移性骨肉腫 |
武田薬品工業 |
未発売 |
2010/02/01 欧州で販売 |
ボリノスタット |
MK-0683 |
皮膚T細胞性リンパ腫 |
MSD
(大鵬薬品工業) |
- |
2011/06/14 大鵬薬品工業と日本国内における販売契約を締結
2010/06/30 国内申請 |
ヒト化モノクローナル抗体 |
KW-0761 |
化学療法奏効後の再発又は再燃成人T細胞白血病リンパ腫(ATL) |
協和発酵キリン |
- |
2011/04/26 国内申請
抗体医薬としては初のATL治療薬 |
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※植物由来
植物の成分から抽出したもの。
※2 分子標的治療薬
がん細胞のみを標的にして作られた医薬品。
※3 タキサン系の抗がん剤
イチイの樹皮成分から見つかった天然化合物。細胞の分裂に必要な*微小管(チューブリン)微小管を安定化することで細胞分裂を阻害し、最終的にがん細胞の死滅につながると考えられています。
※4 アンスラサイクリン系の抗がん剤
アントラサイクリン系はDNA構造を直接破壊します。化学療法で最も細胞障害性が高いもののひとつであると考えています。
※5 成人T細胞白血病(ATL)
主に母乳を介して感染するウイルスHTLV1が原因の難治性血液がん。国内感染者は100万人以上で九州・沖縄在住者が約半数を占める。発症すると血液中で白血病細胞が増殖し、免疫機能が低下したり、リンパ節に腫瘍ができたりする。潜伏期間が平均55年と長く、感染者の生涯発症率は約5%と低いが、有効な治療法は未確立。毎年約千人が亡くなっている。
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新たな治療法 免疫療法(がんワクチン療法) |
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正常細胞にはなく、がん細胞だけにあるがん抗原をワクチンとして体内に注入し、それを認識した人体が抗体を作ってがん抗原を攻撃するという、人体の免疫反応を利用した仕組みです。
国内ではようやく臨床試験がはじまったばかりの治療法です。活性化自己リンパ球移入療法や樹状細胞療法などと組み合わせることで、より効果的な治療ができるのではと考えられています。 |
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ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
子宮頸がん予防ワクチン
「サーバリックスR」 |
グラクソ・スミスクライン |
517億円
(2011/12) |
2009/10/16 国内承認
2007年5月にオーストラリアで初めての承認を取得
2010年 世界売上 242百万£
子宮頸がんの約70%の原因を占めるとされるヒトパピローマウイルス(HPV)の16、18型に対して有効 |
子宮頸がん予防ワクチン
GARDASIL(ガーダシル) |
Merck & Co., Inc.
MSD |
- |
2011/07/01 国内承認
2006年6月に、世界で初めて米国で承認
2012年 世界売上 1,631百万$
16、18型のほか、尖圭コンジローマの約90%の原因である6、11型にも有効 |
MAGE-A3:非小細胞肺がん、悪性黒色腫 |
グラクソ・スミスクライン |
- |
第V相臨床試験
MAGE-A3を標的抗原としたたんぱく質ワクチン |
がんペプチドカクテルワクチン療法剤
OCV-C01:膵臓がん |
オンコセラピー・サイエンス |
- |
2012/08/13 第V相臨床試験開始 |
大腸がん治療用ペプチドカクテルワクチン |
大塚製薬
オンコセラピー・サイエンス |
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2013/01/07 第T相臨床試験開始 |
がん治療用ペプチドワクチン
ONO-7268MX1:肝細胞がん |
小野薬品工業
オンコセラピー・サイエンス |
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2012/07/02 第T相臨床試験開始 |
L-BLP25:非小細胞肺がん |
小野薬品工業
メルクセローノ |
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2012/12/19 ピボタル第V相試験において主要評価項目を達成せず |
膀胱癌治療用ワクチン
S-288310:膀胱癌 |
塩野義製薬
オンコセラピー・サイエンス |
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2009/11/04 第T/U相臨床試験開始 |
がん治療用ワクチン
S-488410:食道がん |
塩野義製薬
オンコセラピー・サイエンス |
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2010/09/14 第T/U相臨床試験開始 |
ペプチドワクチン
S-646240:加齢黄斑変性 |
塩野義製薬
オンコセラピー・サイエンス |
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フェーズUa試験実施意中 |
新生血管阻害剤
OTS102:胆道がん |
扶桑薬品工業
大塚製薬
オンコセラピー・サイエンス |
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2012/02/29 生存期間の優位差認められず
2008/12/16 膵臓に対する第U/V相臨床試験 |
腫瘍抗原を標的とするがんワクチン療法剤
OCV-105
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大塚製薬
オンコセラピー・サイエンス |
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2011/06/13 膵臓癌に対する第T相臨床試験開始 |
WT1標的がんワクチン
OCV-501:急性骨髄性白血病
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大塚製薬 |
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国内第T相臨床試験実施中
癌免疫研究所と共同開発 |
腫瘍新生血管内皮細胞を標的とするがんワクチン療法剤
OCV-101:膵臓がん
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大塚製薬
オンコセラピー・サイエンス |
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2011/06/07 米国臨床腫瘍学会(ASCO)2011 発表
2011/02/01 切除不能進行膵臓癌および再発膵臓癌を対象とした第U相臨床試験開始 |
がん治療用ワクチン
CHP-NY-ESO-1:食道がん |
イミュノフロンティア |
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2009/12/01 第T相臨床試験開始 |
ZYC300 CYP1B1を抗原とする免疫療法ワクチン
E6020 合成TLR4作動薬 |
エーザイ |
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第T相臨床試験中
前臨床 |
治療用がんペプチドワクチン「WT4869」
骨髄異形成症候群(MDS)を対象 |
大日本住友製薬 |
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2013/04/08 中外製薬との共同開発終了
2010/12/21 国内第T/U相臨床試験 |
テーラーメイド型がんペプチドワクチン「ITK-1」 |
富士フイルム |
- |
2013/07/03 国内第III 相臨床試験開始 |
DCVax-Brain:脳腫瘍 |
Northwest Biotherapeutics |
- |
患者の樹状細胞とがん細胞の成分を用いたワクチン
2007 スイス承認 |
Provenge:前立腺がん |
Dendreon Corporation |
- |
がん抗原たんぱく質を添加した患者由来の樹状細胞ワクチン
2010 米国承認 |
ルカニックス:非小細胞肺がん |
NovaRx Corporation |
- |
がん増殖抑制遺伝子を導入した他家腫瘍細胞
第V相臨床試験 |
PROSTVAC:前立腺がん |
Bavarian Nordic A/S |
- |
天然痘ウイルスをベクターに用いた細胞ワクチン
第V相臨床試験 |
IMA901:進行性腎細胞がん |
immatics biotechnologies GmbH |
- |
複数の腎臓がんワクチン関連のペプチドを用いたワクチン
第V相臨床試験 |
乳がん |
CEL-SCI Corporation |
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2013/02/01 Northeast Ohio Medical Universityとコラボレーションを発表 |
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(代謝系疾患) |
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国際糖尿病連合の集計によると糖尿病の患者数は、全世界で3億人に迫っており、2030年には4億3500万人に増えると予測されています。国内患者数は推定で740万人、疑わしい人を含めると1620万人にのぼり、この30年間で30倍に膨らみました。
糖尿病には若年者に急激に発症する1型と、食事や運動などの生活習慣が関係するとされる2型などがあり、2型は日本人の糖尿病の9割以上を占めています。 糖尿病で恐ろしいのは、慢性合併症。足や手の先がしびれ、やがて組織の壊疽(えそ)にもつながる「神経障害」、眼底出血や網膜はく離などを起こし失明に至る「網膜症」、腎臓のろ過機能が低下し最終的には人工透析が必要になる「腎症」が三大合併症です。
糖尿病は、遺伝病や一部のがんのように特定の遺伝子の異常によって発症するのではなく、10〜15年の生活習慣と遺伝子要因が重なり初めて起きます。 インスリンは、膵臓にあるランゲルハンス氏島・B細胞から分泌され、血液中のブドウ糖を細胞内に送りエネルギーに変えたり、余分なブドウ糖を貯蔵したりして、血糖値を下げるホルモンです。。糖尿病とは、インスリンの分泌に障害が起こって、エネルギー源となる糖分の利用が十分に行えず、血糖(血液中の糖分)が上がりすぎてしまう病気です。
糖尿病治療薬は大きく分けて血糖値を調節するインスリンホルモンの投与と、飲んで血糖値を下げる薬があります。インスリン投与は主に、インスリンを分泌する膵臓(すいぞう)のβ細胞が自己免疫反応などにより壊された1型糖尿病患者向け。血糖降下薬を服用するのは、過食や運動不足、加齢などが重なり発症する2型糖尿病患者です。全体の約95%を占めます。
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インスリン分泌促進薬 |
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スルフォニル尿素系薬剤(SU)
膵臓のβ細胞を刺激することによりインスリン分泌を促進する糖尿病治療薬です。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
第2世代 グリペンクラミド |
オイグルコン |
中外製薬 |
- |
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スルホニルウレア系血糖降下剤
グリクラジド |
グリミクロン
(経口剤) |
大日本住友製薬 |
28億円
(2011/03) |
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スルホニルウレア系血糖降下薬(第3世代)
グリメピリド |
アマリール
(経口剤) |
サノフィ |
- |
2013/01/15 OD錠0.5mg 新発売
2010年 世界売上 478百万£ |
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速効型インスリン分泌促進薬 |
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従来のインスリン分泌促進薬(SU薬)に比べ、服用後速やかに効果を発現することから、インスリン分泌を自然なパターンに近づけて食後高血糖を改善します。作用持続時間が短いため、従来のSU薬に比べ低血糖を惹起しにくく、また膵臓のβ細胞の疲弊を軽減することが期待されています。
インスリン製剤の超速効型は、注射後10〜20分で効果が表れます。以前の速効型は注射後、作用するまでに約30分かかり、食前の注射と食事の時間にずれが生じると、食後の高血糖状態をうまく改善できないことや、逆に血糖値を正常時よりも下げてしまう場合がありました。
インスリンは21個のアミノ酸からなるA鎖と、30個のアミノ酸からなるB鎖が結合したポリペプチド。超速効型はアミノ酸配列の一部を変えて吸収されやすくした。2001年からデンマークのノボノルディスクが「ノボラピッド」を、米イーライリリーが「ヒューマログ」を日本で販売しています。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
超速効型インスリンアナログ製剤
インスリン アスパルト:IAsp |
ノボラピッド |
ノボ ノルディスク |
- |
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超速効型インスリンアナログ製剤
インスリン リスプロ(遺伝子組換え) |
ヒューマログ |
イーライリリー |
- |
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速効型インスリン分泌促進剤
ミチグリニドカルシウム水和物 |
グルファスト |
キッセイ薬品工業
武田薬品工業 |
51億円
49億円
(2011/3) |
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速効型インスリン分泌促進剤
ナテグリニド |
ファスティック |
味の素−第一三共 |
52億円
(2010/3) |
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スターシス |
味の素−アステラス製薬 |
49億円
(2005年) |
2012/10/10 DPP-4阻害剤との併用試験に関する共同開発契約を締結 |
速効型インスリン分泌促進剤
レパグリニド |
シュアポスト |
大日本住友製薬 |
- |
2011/05/09 国内発売
米国では「Prandin」、欧州では「NovoNorm」の製品名で販売。Novo Nordiskより導入 |
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持効型インスリン製剤 |
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皮下からの吸収がおだやかであるため、従来の中間型インスリン製剤に比べて血中インスリン濃度のパターンにピークがありません。また、ほぼ一日にわたって作用が持続し、夜間の低血糖が少ないという特徴があります。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
持効型溶解インスリン製剤
インスリン・グラルギン(遺伝子組み換え) |
ランタス
Lantus
(皮下注入) |
サノフィ・アベンティス |
- |
2012年 世界売上 4,960百万£ |
持効型インスリン アナログ注射液
インスリン デグルデク(遺伝子組換え) |
トレシーバ |
ノボ ノルディスク |
- |
2012/09/28 国内発売 |
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食後過血糖改善薬 |
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α-グルコシダーゼ阻害剤(α-GI)
小腸粘膜に存在するαグルコシダーゼという酵素は、砂糖や炭水化物をブドウ糖に分解する働きをしています。この薬は、そのαグルコシダーゼの働きをじゃますることで、ブドウ糖への分解を遅らせます。その結果として、ブドウ糖の体内への吸収がゆっくりになり、食後過血糖が抑えられます。日本で最も使用されている2型糖尿病治療剤の一つです。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
糖尿病食後過血糖改善剤
アカルボース |
グルコバイ |
バイエル薬品 |
140億円
(2005年) |
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糖尿病食後過血糖改善剤
ボグリボース |
ベイスン |
武田薬品工業 |
259億円
(2012/3) |
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糖尿病食後過血糖改善剤
ミグリトール |
セイブル |
大日本住友製薬 |
- |
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インスリン抵抗性改善薬 |
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ビグアナイド系薬剤(BG)
肝臓における糖新生抑制作用、消化管における糖吸収抑制作用、末梢組織におけるインスリン感受性改善作用等を介して血糖を下げる薬剤で、国内では、メトホルミン塩酸塩(製品名「メトグルコ錠」等)、ブホルミン塩酸塩(製品名「ジベトス錠」等)が販売されています。 |
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<
一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
メトホルミン塩酸塩 |
メルビン |
大日本住友製薬 |
44億円
(2011/3) |
1961年 日本で承認 |
メトホルミン塩酸塩 |
グリコラン |
日本新薬 |
9億円
(2007年) |
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メトホルミン塩酸塩 |
メトグルコ
(経口剤) |
大日本住友製薬 |
3億円
(2011/3) |
2010/04/22 日本で発売
Merck Sante 社より導入 |
ブホルミン塩酸塩 |
ジベトス錠 |
日医工ほか |
- |
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チアゾリジン系薬剤(TZD)
アバンディア(GSK)とアクトス(武田)はインスリン抵抗性改善薬と呼ばれ、脂肪細胞のインスリンへの感応度を高めます。安全性の確保が難しく欧米大手は相次いで開発に失敗し、現在は2剤しか販売されていません。
1999年に発売した武田の「アクトス」の評判が高い。売り上げは世界で2000億円を超え、同社の収益の柱に育ってきました。開発時には不明だった作用機序の解明が進み、アクトスが核内受容体(PPARγ)と強く結合することが分かってきました。PPARγは、脂肪細胞の分化を促すが、それによりインスリンの利きが悪くなった大型の脂肪細胞が、インスリンが利きやすい小型の脂肪細胞に変化するとされています。また脂肪細胞は様々な生理活性物質(アディポカイン)を出し、その中にはインスリンへの抵抗性を高める「悪玉」と、インスリンの感受性を高める「善玉」があります。PPARγは、善玉の産生を増やしてインスリンを利きやすくする作用があるようです。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
塩酸ピオグリタゾン |
アクトス* |
武田薬品工業 |
318億円
(2012/3) |
1999年 販売開始
2011/3 世界売上 2,962億円 |
マイレン酸ロシグリタゾン |
アバンディア |
グラクソ・スミスクライン |
- |
2010年 世界売上 440百万£ |
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S-707106 |
塩野義製薬 |
- |
2010年3月 FTIH:ヒトへの最初の投与試験(first time in human study)(米国)
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DPP4阻害剤 |
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DPP4阻害剤(ジペプチジルペプチダーゼ-4阻害薬)
食後に分泌されるインクレチン(血中の糖濃度に依存してインスリン分泌を促進する消化管ホルモンの総称)を、選択的に分解する酵素ジペプチジルペプチダーゼ(DPP)-4を阻害することにより、活性型インクレチン濃度を上昇させ、血糖依存的に血糖降下作用を示す薬剤で、国内ではシタグリプチンリン酸塩水和物(製品名「ジャヌビアR錠」、「グラクティブR錠」)、アログリプチン安息香酸塩(製品名「ネシーナR錠」)等が販売されています。
・次世代糖尿病治療剤 DPP4阻害剤、SGLT阻害剤開発佳境
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GLP-1受容体アゴニスト |
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現在国内で承認されている糖尿病治療薬とは全く異なる作用機序で血糖降下作用を示す新しいクラスの薬剤です。GLP-1はヒトの体内に自然に存在する小腸から分泌される消化管ホルモンで、血糖値に応じてインスリン分泌を促進します。
*「アゴニスト」とは、生体内の受容体に働いて、神経伝達物質や ホルモン などと同様の作用を発現する作動薬。 |
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SGLT阻害剤 |
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SGLT1阻害剤 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
SGLT1阻害剤 |
KGA-3235 |
グラクソ・スミスクライン |
- |
欧米P1
キッセイ薬品工業からの導入品 |
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DSP3235 |
大日本住友製薬 |
- |
国内P1
キッセイ薬品工業からの導入品 |
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※SGLT1(Sodium-dependent Glucose Transporter
1):
糖の生体内での輸送にかかわる糖トランスポーターの一つ。小腸に多く存在しており、消化管での糖吸収の主要な役割を担っています。SGLT1阻害剤は、SGLT1の働きを直接阻害して糖の消化管吸収を抑制します。
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SGLT2阻害剤
SGLT2阻害剤の特徴としては、尿糖排泄作用により高血糖を改善する。体重減少効果や血圧降下作用などが期待できる。インスリンを介さないため低血糖のリスクが低く、また、他の経口血糖低下剤やインスリンと併用する事が可能などがあります。 |
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※SGLT2(Sodium-dependent Glucose Transporter
2):
糖の生体内での輸送にかかわる糖トランスポーターの一つ。腎臓に特異的に存在しており、腎臓での糖再吸収の主要な役割を担っています。血中の糖は一旦腎臓でろ過され尿中に移行しますが、SGLT2が血液中に糖を戻します。
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グルコース依存性インスリン分泌促進薬(GPR40作動薬) |
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GPR119受容体アゴニスト |
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GPR119(Gタンパク質共役型受容体119)は、消化管と膵臓に存在する受容体です。膵臓のβ細胞に直接作用し、インスリンの分泌を促進。さらに、小腸からのインクレチンGLP-1の分泌を促します。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
GPR119受容体アゴニスト |
MBX-2982 |
Metabole/サノフィ・アベンティス |
- |
第II相臨床試験実施中
2010/07/05 サノフィ・アベンティスとMetabolex社、 独占的グローバルライセンス契約を締結 |
GPR119受容体アゴニスト |
DS-8500 |
第一三共 |
- |
P1試験実施中 |
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配合剤 |
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2種類以上の成分を一つの製剤に配合するもので、別々に服用するより、服薬利便性を高め、飲み忘れも少なくすることができます。配合剤は製法が複雑で、ジェネリックメーカーのどこでも簡単に追随できるものではないので、特許切れの先発薬と特許が切れていない自社製品を組み合わせて販売することで、自社製品の製品寿命を長くすることが試みられています。 |
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一般名 |
商品名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
DPP4+SGLT2の合剤 |
empagliflozin and linagliptin |
ベーリンガーインゲルハイム、イーライリリー |
- |
2014/04/14 米国申請 |
SGLT2阻害剤(カナグリフロジン)と速放性メトホルミン)の合剤 |
VOKANAMET |
Johnson & Johnson |
- |
2014/04/24 欧州承認 |
アクトス(ピオグリタゾン塩酸塩)とメトホルミン(ビグアナイド系薬剤)の合剤 |
Actoplus met
Competact
メタクト |
武田薬品工業 |
- |
2005/08 米国で承認
2006/07 欧州で承認
2010/04/16 国内承認
2型糖尿病治療剤としては日本で初めて承認された配合剤 |
アクトス(ピオグリタゾン塩酸塩)とスルホニルウレア系薬剤(SU剤)の合剤 |
ソニアス |
武田薬品工業 |
- |
2011/06/06 国内発売 |
ネシーナ(DPP4阻害剤)とメトホルミン塩酸塩の合剤 |
KAZANO
リオベル |
武田薬品工業 |
- |
2013/09/24 欧州承認
2013/01/26 米国承認
2011/09/20 国内発売 |
ネシーナ(DPP4阻害剤)とスルホニルウレア系薬剤(SU)の合剤 |
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武田薬品工業 |
- |
2011/02/23 国内承認 |
ネシーナ(DPP4阻害剤)とビグアナイド系薬剤(BG)の合剤 |
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武田薬品工業 |
- |
2011/02/23 国内承認 |
ネシーナ(DPP4阻害剤)とチアゾリジン系薬剤(TZD)との併用効能追加 |
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武田薬品工業 |
- |
2010/08/20 国内承認 |
ネシーナ(DPP4阻害剤)とアクトス(ピオグリタゾン塩酸塩)の合剤 |
OSENI |
武田薬品工業 |
- |
2013/09/24 欧州承認
2013/01/26 米国承認
2012/06/20 欧州申請 |
速効型インスリン分泌促進薬/食後過血糖改善薬配合剤 |
グルベス |
キッセイ薬品工業 |
- |
2011/04/22 国内承認 |
ビルダグリプチン(Galvus)とメトフォルミンの配合剤 |
Eucreas |
ノバルティス ファーマ |
- |
2008/03/06 欧州で承認 |
シタグリプチン (ジャヌビア)とシンバスタチン(リポバスほか)の配合剤 |
JUVISYNC |
Merck |
- |
2011/10/13 米国承認 |
シタグリプチン (ジャヌビア)とメトホルミンの配合剤 |
JANUMET |
Merck |
- |
2012年 世界売上 1,659億$ |
持効型インスリンアナログ トレシーバと超速効型インスリンアナログ
ノボラピッドの配合剤 |
ライゾデグ |
ノボノルディスクファーマ |
- |
2012/12/31 国内承認 |
リナグリプチン(Tradjenta)とメトホルミンの配合剤 |
Jentadueto |
ベーリンガー・インゲルハイムと/リリー |
- |
2012/02/01 米国承認 |
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腎臓の役割はいろいろありますが、その中心的な機能は、体内で一日およそ200リットルもの血液をろ過し、不要な成分や有害物質を体外に尿として排出することにあります。腎臓病は、その腎臓の機能が低下し、老廃物や余分な物質・水分が外に排出できなくなる病気(腎炎)です。
国内の慢性腎臓病の患者数は、およそ400万人に達すると されます。 この病気の主な症状はたんぱく尿・血尿・むくみ・高血圧 などですが、腎臓病の種類によっても、症状はさまざまに異なってきます。 |
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(腎性貧血治療薬):慢性腎臓病の合併症のうち最も頻度の高いもの |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
エポエチン |
エポジエン/プロクリット/エスポー |
アムジェン/J&J/協和発酵キリン |
618億円
(2011/12) |
世界売上51億ドル(2009年) |
遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤 |
NeoRecormon
エポジン |
ロシュ/中外製薬 |
288億円
(2011/12) |
2010年 世界売上 1,285百万CHF |
持続型赤血球造血刺激因子製剤 |
R744 |
中外製薬 |
- |
2009/07/22 国内申請
海外ではMirceraの製品名で2007 年に発売 |
赤血球産生を促進するホルモンであるエリスロポエチンの受容体に作用する合成ペプチド |
Hematide |
武田薬品工業 |
- |
2012/03/28 米国販売許可取得
2012/02/27 欧州申請
2010/02/18 臨床第3相試験開始(国内)
2011年度中の承認申請を予定
Affymax, Inc.より導入 |
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(尿毒症毒素吸着剤) |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
- |
クレメジン
(経口吸着炭) |
第一三共 |
128億円
(2009/3) |
2009/10/05 クレハが製造した同剤を田辺三菱が仕入れて第一三共に供給
1991年 国内販売
消化管で分泌または腸管で産生される尿毒症毒素を吸着し、便とともに体外に排泄 |
- |
MP-146 |
田辺三菱製薬 |
- |
2006/11/08 クレメジンの米欧での独占的開発・販売権をクレハより取得
欧米P3実施中。2011年度申請予定 |
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(高リン血症治療薬):
腎臓の機能が落ち透析中の方は腎臓でのリンの排出ができないため
血液中のリンの濃度が高くなってしまいます。そこでリンを吸着し体外へ出す薬が使われます。 |
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(その他の治療薬): |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
慢性腎不全の透析型人工腎臓の灌流液 |
キンダリー |
扶桑薬品工業 |
131億円
(2009/3) |
- |
高カリウム血症改善剤
ポリスチレンスルホン酸カルシウム |
アーガメイト |
三和化学研究所/
アステラス製薬 |
- |
2013/01/10 国内発売
腸管内のカリウムイオンを本剤のカルシウムイオンと交換することにより、過剰となったカリウムを体外に排泄することで、急性および慢性腎不全に伴う高カリウム血症を改善する。 |
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肥満症は、全世界で4億人以上が罹患し、いくつかの疾患の罹患リスク上昇と関連する慢性疾患です。米国肥満学会によると、肥満症は米国において2番目に回避可能な死亡原因とされています。米国では体重過多および肥満症およびその関連疾患の治療に要する総コストは年間で1,400億ドルに達しています。肥満症は、先進緒国や発展途上国で急速に増加しており、大きな社会問題となってきています。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
特異で選択的なセロトニン2C(5-HT2C)受容体アゴニスト lorcaserin hydrochloride(ロルカセリン) |
BELVIQ |
Arena Pharmaceuticals/
エーザイ |
- |
2012/06/28 米国承認
2011/05/26 3つのフェーズIIIのメタ分析の良好な結果を発表
2010/07/01 アリーナ・ファーマシューティカルズとエーザイ
米国におけるライセンス契約を締結 |
Phentermine and Topiramate Extended-release(配合剤) |
Qsymia |
VIVUS, Inc. |
- |
2012/07/17 米国承認
食欲抑制薬「phentermine」と抗てんかん薬「トピラマート」との合剤 |
マジンドール |
サノレックス |
ノバルティス ファーマ |
- |
国内で販売されている肥満症薬
脳の食欲中枢に直接作用して,食欲を低下させる |
リパーゼ阻害薬
オルリスタット |
ゼニカル
アライ |
ロシュ
グラクソ・スミスクライン |
未発売 |
スイス・ロシュが開発した抗肥満薬
脂肪分解酵素であるリパーゼを不活性化し、脂肪吸収を阻害 |
リパーゼ阻害薬
セチリスタット |
オブリーン |
武田薬品工業Norgine BV |
- |
2013/09/20 国内承認
欧州承認申請中
脂肪の分解酵素である膵リパーゼの働きを阻害し、食事からの脂肪の吸収を抑えることで体重を減少させる
英国Alizyme plc導入品 |
ニューロペプチドY Y5受容体拮抗薬
velneperit |
S-2367 |
塩野義製薬 |
- |
2009/2/17 海外P2b、国内P2a
新規ターゲットNPY Y5受容体に対するアンタゴニスト。NPYは食欲やエネルギー摂取・消費のバランスの調整に関与する食欲促進伝達分子。
自社品 |
velneperitとorlistatの配合剤 |
S-2367 |
塩野義製薬 |
- |
2010年度 米国P2試験投与完了を目指す |
|
S-234462 |
塩野義製薬 |
- |
2010年度 米国P2試験開始を目指す
S-2367より効果の強いバックアップ化合物 |
シブトラミン塩酸塩水和物 |
メリディア/リダクティル
KES524 |
アボット/
エーザイ |
未発売 |
セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害作用に基づく肥満症治療剤。
世界83カ国で承認
2010/10/28 国内申請取り下げ
2007/11/29 国内申請 |
アミリン/ヒトレプチン合成アナログ
Pramlintide/Metreleptin |
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武田薬品工業 |
- |
2011/08/05 開発中止
2010/02/23 米国P3開始
Amylin導入品 |
ナルトレキソン塩酸塩徐放製剤とブプロピオン塩酸塩徐放製剤の合剤 |
Contrave |
Orexigen/武田薬品工業 |
- |
2011/06/03 米国での開発を中断
2011/02/01 米国における肥満症治療剤ContraveRの審査結果受領(追加試験要)
2010/09/02 Orexigen社と武田薬品工業、米国、カナダ、メキシコを対象とした独占的開発・販売契約を締結 |
カンナビノイド受容体拮抗薬 |
リモナバン |
サノフィ・アベンティス |
- |
2008/11/5 開発中止 |
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※セロトニン2C受容体は、食欲や代謝を司る分野である視床下部を含めた脳に発現されています。視床下部の5-HT2Cへの刺激は摂食抑制、飽食に強い関連を有しています。 |
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高尿酸血症を基礎病態とし、関節内に析出した尿酸塩が起こす結晶誘発性関節炎として発症します。発症部位としては足の親指(第一中足趾)など下肢が多く、疼痛により歩行困難になります。血清尿酸値をコントロールせずに尿酸血症を放置すると、痛風結節、尿路結石を含む腎障害に進行していく慢性疾患です。 痛風患者の総数は13万9千人(平成17年度患者調査)となっていますが、実際の患者数は50〜60万人と推定されています。
痛風を伴う高尿酸血症の治療薬としては、主としてキサンチンオキシダーゼ(痛風の原因となる尿酸の生合成酵素)阻害剤が用いられています。 |
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※キサンチンオキシダーゼ:痛風の原因となる尿酸生成合成酵素 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
キサンチンオキシダーゼ阻害剤
アロプリノール |
ザイロリック |
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- |
ジェネリック品多数 |
非プリン型選択的キサンチンオキシダーゼ阻害剤
フェブキソスタット |
フェブリク |
帝人ファーマ |
- |
2011/05/13 日本にて発売
アロプリノールとは全く異なる基本構造を有する |
同上 |
ADENURIC |
アステラス製薬 |
- |
2010/04/01 中国・香港にて独占販売権獲得
帝人ファーマの創製品 |
同上 |
ADENURIC |
イプセン/メナリーニ |
- |
2010/03/09 欧州にて販売開始
帝人ファーマからの導入品 |
同上 |
TMX-67 |
エスケーケミカルズ |
- |
2010/06/30 韓国にて販売承認取得
帝人ファーマからの導入品 |
同上 |
ULORIC |
武田薬品工業 |
- |
2009/03/13 米国にて販売開始
帝人ファーマからの導入品 |
同上 |
ULORIC |
武田薬品工業 |
- |
2010/10/22 カナダにて販売開始
帝人ファーマからの導入品 |
尿酸生成抑制薬
トピロキソスタット |
ウリアデック |
富士薬品/
三和化学研究所 |
- |
2013/06/28 国内承認
2009/11/08 ライセンス契約締結 |
canakinumab(遺伝子組換え)
カナキヌマブ |
ACZ885 |
Novartis |
- |
2011/05/25 2つのフェーズIIIの結果を発表 |
キサンチンオキシダーゼと尿酸トランスポーター(URAT1)を共に阻害 |
KUX-1151 |
キッセイ薬品
ファイザー |
- |
2013/12/24 ファイザー社へ導出 |
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骨粗鬆症は、「骨強度の低下を特徴とし、骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患」と定義されており、特に女性の患者様が多くを占めます。高齢化の進展とともに骨粗鬆症患者数は増加しており、日本国内で約1000万人が骨粗鬆症であると推定されています。脊椎や大腿骨頸部等での骨折が生じやすく、場合によっては寝たきりの状態につながりかねないことから、骨粗鬆症に対する対策は医療のみならず社会的にも重要な課題と近年認識されています。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
ビスホスホネート系
リセドロン酸ナトリウム水和物 |
ベネット |
味の素/武田薬品工業 |
165億円
(2012/3) |
2012/12/25 月1回投与製剤の国内承認
2010/03/16 月1回投与製剤のP3開始(国内)
海外では月1回投与製剤が承認されている
米プロクターアンドギャンブルが創製 |
アクトネル |
味の素/エーザイ |
115億円
(2011/3) |
ビスホスホネート系
ミノドロン酸水和物 |
リカルボン |
小野薬品工業 |
9億円
(2010/3) |
1 日1 回投与剤
2009/04/06 国内承認
日本で初めて創薬された経口骨粗鬆症治療剤 |
ボノテオ
(経口剤) |
アステラス製薬 |
− |
ビスホスホネート系
ミノドロン酸水和物 |
ボノテオ
(経口剤) |
アステラス製薬 |
24億円
(2011/3) |
月1回間歇経口剤
2011/09/15 国内発売
2010/09/10 国内申請
アステラス製薬の創製、小野薬品と共同開発 |
リカルボン |
小野薬品工業 |
− |
ビスホスホネート系
アレンドロン酸ナトリウム水和物 |
フォサマック |
MSD |
− |
週1回投与剤
2010年 世界売上 926百万$ |
ボナロン |
帝人ファーマ |
210億円
(2011/3) |
ビスホスホネート剤
ゾレドロン酸 |
ゾメタ
Zometa |
ノバルティス ファーマ |
− |
年1回の点滴静注で1年間の治療が行える唯一の骨粗鬆症治療薬。現在海外90カ国以上で承認
2012年 世界売上 1,288百万$ |
旭化成ファーマ |
− |
2010/06/14 日本における独占的開発・販売する権利を取得 |
ヒト副甲状腺ホルモン製剤
テリパラチド酢酸塩 |
テリボン皮下注用56.5μg |
旭化成ファーマ |
− |
週1回皮下注射
2011/11/25 国内発売
2011/09/26 国内承認
骨折の危険性の高い骨粗鬆症 |
副甲状腺ホルモン製剤
(遺伝子組換え)
テリパラチド |
フォルテオ |
イーライリリー |
7.6億円
(2010/12) |
1日1回皮下注射
2010/09/21 国内発売
2002 米国で発売、80以上の国で承認 |
活性型ビタミンD3製剤
アルファカルシドール |
ワンアルファ |
帝人ファーマ |
114億円
(2011/3) |
肝臓で代謝されて活性型ビタミンD3になり、カルシウムの吸収を促進。ビタミンDの不足などによる骨の病気やその他の症状の改善、骨粗鬆症の治療に用いられる。 |
選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)
ラロキシフェン |
エビスタ
(経口剤) |
中外製薬/イーライリリー |
185億円
(2011/12) |
1日1回経口投与
2011/06/03 アジア7市場の販売権を武田に譲渡
2004/05/11 国内販売(中外、リリー)
2010年 世界売上 1,024百万$
閉経後骨粗鬆症の予防および治療
イーライリリーが創製 |
選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)
バゼドキシフェン酢酸塩 |
ビビアント
(経口剤) |
ファイザー |
− |
1日1回経口投与
2010/07/23 国内承認
閉経後骨粗鬆症治療剤 |
骨粗鬆症における疼痛
エルカトニン |
エルシトニン |
旭化成ファーマ |
134億円
(2011/3) |
骨粗鬆症における疼痛 |
完全ヒト型モノクローナル抗体
デノスマブ |
プラリア
皮下注
6カ月に1回投与 |
第一三共 |
− |
2013/06/11 国内発売
RANKLに特異的に結合し、破骨細胞による骨破壊を抑制する。Amgen社からの導入品。 |
ビスフォスフォネート系骨吸収抑制剤
イバンドロン酸ナトリウム水和物 |
ボンビバR静注1mgシリンジ
(月1回投与注射剤) |
中外製薬/大正製薬 |
− |
2013/09/29 国内発売
海外では「BonvivaR(米国ではBonivaR)」の販売名で販売 |
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※ビスホスホネート系:破骨細胞に働き、骨吸収を抑制
する。ハイドロアパタイトに結合した薬物が骨吸収と共に破骨細胞に取り込まれ、骨吸収を抑える。
※選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM):骨を強くすることで骨粗鬆症を予防および治療し骨折を防ぐ。
※ヒト副甲状腺ホルモン(ヒトPTH):骨形成促進作用を有する。 |
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(循環器系疾患) |
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血圧は年齢ととも上昇し、40代では4人に1人、60代では2人に1人が高血圧になるとされており、高齢になるほど高血圧になりやすい。高血圧は心臓病や脳血管障害などの様々な病気の元となるため、現在大変に重要な薬となっています。
1980年代の高血圧治療薬はカルシウム拮抗薬とベータ遮断薬でしたが、1990年代には、さらにアンジオテンシン(ACE)変換酵素阻害薬が加わり、現在はそれにアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)が登場しました。
現在最も多く高血圧治療に使われるカルシウム拮抗薬は、血管を拡張する作用を持ちます。服用するとすぐに血管が拡張するので血圧が低下。効果がすぐに表れ、医師も使いやすいという特徴があります。
これに対しARBはカルシウム拮抗薬のように急速に血圧が下がるタイプの薬ではありませんが、腎臓の保護作用に優れるなど副作用は少なく、ほかの治療薬よりも患者に受け入れられやすいといわれています。そのため近年そのシェアを急速に拡大しています。また、この二種類の薬剤は医師の判断で併用する場合も多い。
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循環器官用剤、感染症治療剤の国内市場 2010年5月6日 富士経済
−2018年の市場予測 降圧剤1兆400億円09年比15.9%増− |
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サイアザイド系利尿剤 :余分な塩分を排泄する
遠位尿細管において、Na、Clの再吸収を抑制して利尿効果を示します。降圧剤としても使用されます。利尿薬は腎臓の機能単位であるネフロンの尿細管や集合管に作用し、体内のナトリウム(Na)と水分の排泄(利尿)を促し、体液量(血液量)を減らす事によって血圧を下げます。 |
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一般名 |
商品名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
ヒドロクロロチアジド |
ダイクロトライド錠 |
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− |
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アンジオテンシンU受容体拮抗薬(ARB) :血管収縮を抑える
アンギオテンシンII受容体は、主に血管の筋肉に存在するタンパク質です。アンギオテンシンII受容体は、アンギオテンシンIIというタンパクが結合することで活性化され、血管を収縮させるのに必要な信号を発します。
一般名 |
商品名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
カンデサルタン シレキセチル |
ブロプレス |
武田薬品工業 |
1,427億円
(2012/3) |
1999年発売
2012/3 世界売上 2,163百万円 |
バルサルタン
Valsartan |
ディオバン
Diovan |
ノバルティス ファーマ |
1,144億円 |
2000年11月発売
2012年 世界売上 4,417百万$ |
ロサルタンカリウム |
ニューロタン |
MSD
(Merck & Co., Inc.) |
709億円 |
1998年上市
2012年 世界売上 1,284百万$ |
オルメサルタン メドキソミル |
オルメテック
Benicar(米)
Olmetec(EU) |
第一三共 |
823億円
(2011/3) |
2002年(米、独)、2004年5月(日)発売
2011/3 世界売上 2,415百万円
ARBの中では世界で7番目に上市された製品 |
テルミサルタン |
ミカルディス |
アステラス製薬
(ベーリンガーインゲルハイム) |
758億円
(2011/3) |
ベーリンガーインゲルハイムが創製
2002年12月 日本発売
2010年 世界売上 1,555百万£ |
イルベサルタン |
アバプロ
(2008年発売) |
大日本住友製薬
(サノフィ・ブリストル) |
107億円
(2012/3) |
1997年上市
血中半減期が長く、24 時間降圧効果が持続する
2010年 世界売上 1,176百万$ |
イルベタン
(2008年発売) |
塩野義製薬
(サノフィ・ブリストル) |
73億円
(2011/3) |
アジルサルタン メドキソミル |
Edarbi
(TAK-491) |
武田薬品工業 |
− |
2011/12/09 EU、販売許可取得
2011/04/15 米で販売開始
ブロプレスの後継品 |
アジルサルタン |
アジルバ |
武田薬品工業 |
− |
2012/05/28 国内販売
2012/01/18 国内承認取得
ブロプレスの後継品 |
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カルシウム拮抗薬(CCB) :血管を広げる
カルシウム拮抗剤は血管平滑筋の電位依存性CaチャンネルでのCaイオンの細胞流入を抑制し、細胞内遊離Caイオン濃度を低下させることにより血管を拡張させ、降圧作用を発揮します。 |
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一般名 |
商品名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
アムロジピンベシル酸塩 |
ノルバスク |
ファイザー |
1,340億円 |
高血圧症・狭心症治療薬
2010年 世界売上 1,506百万$ |
アムロジピンベシル酸塩 |
アムロジン |
大日本住友製薬
(ファイザー) |
360億円
(2012/3) |
同上 |
ニフェジピン |
アダラート |
バイエル薬品 |
394億円 |
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T/L型カルシウム(Ca)拮抗薬
塩酸ベニジピン |
コニール |
協和発酵キリン |
197億円
(2011/12) |
2011/06/02 T/L型Ca拮抗薬ベニジピンと併用する降圧薬は利尿薬あるいはARBが望ましい |
アゼルニジピン |
カルブロック |
第一三共 |
140億円
(2011/3) |
宇部興産が創成 |
持続性Ca拮抗降圧剤
シルニジピン |
アテレック |
持田製薬
味の素製薬 |
141億円
(2011/3) |
2013/08/19 国内承認取得(味の素製薬) |
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β遮断薬 :心臓が送り出す血液量を調節する
ノルアドレナリンとβ受容体との結合を阻害し、交感神経の興奮を遮断する作用を持つ薬です。 |
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アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE)
アンジオテンシンをアンジオテンシンIIに変換するACE(アンジオテンシン変換酵素:angiotensin-converting enzyme)を阻害する薬物です。 |
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一般名 |
商品名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
イミダプリル塩酸塩 |
タナトリル |
田辺三菱製薬 |
83億円
(2012/3) |
1983年発売 |
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直接的レニン阻害剤(DRI)
レニン・アンジオテンシン・アルドステロン・システム(RAAS)の起点に位置するレニンを直接的に阻害する新しい作用機序を持つ薬剤です。
レニンは高血圧と臓器障害を引き起こす原因となる酵素です。 |
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配合剤
高血圧症は、複数の成因により発症する疾患であることから、降圧目標達成のためには、作用機序の異なる降圧薬を組み合わせた併用療法が有用といわれています。
配合剤は2種類以上の成分を一つの製剤に配合するものですから、別々に服用するより、服薬利便性を高め、飲み忘れも少なくするメリットもあります。
また、配合剤は製法が複雑で、ジェネリックメーカーのどこでも簡単に追随できるものではないので、特許切れの先発薬と特許が切れていない自社製品を組み合わせて販売することで、自社製品の製品寿命を長くすることが試みられています。 |
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血液中にはリン脂質、トリグリセリド(中性脂肪)、コレステロールなどの脂質が存在しています。この脂質の量が異常に増えた状態を「高脂血症」といいます。高脂血症そのものに自覚症状はほとんどありませんが、致命的な病気に直接つながっていくため、早めの治療や予防は非常に大切です。
コレステロールは、人体を構成する細胞膜を造るほか、からだの調子を整えるホルモンや、食物中の脂肪の消化吸収を助ける胆汁酸の材料となるなど大切な働きを担っています。
コレステロールは、その分類からLDLコレステロールとHDLコレステロールの2種類に分けられ、これらをあわせたものを総コレステロールといいます。
増えすぎると体に悪影響を及ぼすのは、LDLコレステロールです。悪玉コレステロールとも呼ばれ、肝臓で合成されたコレステロールを細胞に送る働きをしますが、増えすぎると血管壁にたまり、動脈硬化を進めます。
一方、HDLコレステロールは、善玉コレステロールとも呼ばれ、血管壁に過剰にたまったコレステロールを肝臓に送る働きをしています。
中性脂肪は、皮下や内臓の周囲に多く、人間が生きていくためのエネルギー源として蓄えられています。皮下の中性脂肪(皮下脂肪)には、寒さから身を守る保温作用があります。内臓のまわりについた中性脂肪(内臓脂肪)は、骨や筋肉、内臓などを衝撃から守るクッションの役割を果たしています。このように、中性脂肪は人間が生きていくうえで大切なものなのですが、余分なエネルギーがからだの中に増えすぎると、必要以上に皮下や内臓のまわりに脂肪が蓄積されて肥満の要因になります。
また、中性脂肪の増加はコレステロールに大きな影響を与えます。中性脂肪はHDLコレステロールを減少させるため、血管壁のコレステロールを取り去ることができなくなってきます。さらに、LDLコレステロールを、より血管壁に沈着しやすい小型で酸化したものへ変化させ、動脈硬化を進める一因となります。
高脂血症の予防には、食事の量や内容を見直し、運動を生活に取り入れるなど、ライフスタイルを改善することが重要です。食事療法や運動療法を行っても思うように効果が得られないときには、薬物療法を行います。 |
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コレステロール「悪玉」を基準に診療指針を改定
日本動脈硬化学会は脳梗塞(こうそく)や狭心症など動脈硬化性疾患の予防や治療に使う診療指針を2007年4月に改定する。従来使っていた総コレステロールにかわり「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールを原則として判断基準にする。安易な投薬治療を抑制するのが狙い。影響を受ける患者や動脈硬化の予備軍とされる人は2000万人程度いるとみられる。
2002年に策定した現行指針は血液1デシリットル当たりの総コレステロール220ミリグラム以上を動脈硬化によって様々な病気を引き起こしやすい「高コレステロール血症」としている。これを悪玉コレステロールが同140ミリグラム以上と変更する。
総コレステロールを基準にすると、日本人に多い、動脈硬化を防ぐ善玉の「HDLコレステロール」値の高い人も治療対象になり、不要な投薬治療につながる恐れがあると指摘されている。
診断指針を投薬治療の開始基準と認識している医師もいることから、解説の中で、食事内容や禁煙の指導を治療の中心にすることを明記。高血圧や喫煙といった危険因子が二つまでの低リスク患者は、3〜6カ月間指導しても改善しない場合に投薬を検討するとした。 |
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薬効による分類
LDLコレステロール低下薬 |
HMG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン)
陰イオン交換樹脂(レジン)
フィブラート系薬剤
ニコチン酸誘導体
プロプコール |
トリグリセリド低下薬 |
フィブラート系薬剤
ニコチン酸誘導体
イコサベント酸エチル |
HDLコレステロールを上げる薬剤 |
フィブラート系薬剤
ニコチン酸誘導体
HMG-CoA還元酵素阻害剤(スタチン) |
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スタチン系薬(HMG-CoA還元酵素阻害剤)
世界で7剤が、100カ国以上で販売されています。7剤の年間売上は3兆2千億円に達しています。
主にLDLコレステロールを低下させます。肝臓でのコレステロール合成を阻害します。
一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
アトルバスタチン |
リピトール
Lipitor*
(2001年) |
ファイザー
(アステラス製薬) |
972億円
(2011/3) |
2012年 世界売上3,948百万$
高脂血症 |
ロスバスタチンカルシウム |
クレストール
Crestor
(2006年) |
塩野義製薬
(アストラゼネカ) |
290億円
(2011/3) |
2012年 世界売上 6,253百万$
同上 |
シンバスタチン |
リポバス
(1991年) |
Merck & Co., Inc.
(MSD) |
471億円 |
高脂血症 |
プラバスタチンナトリウム |
メバロチン*
(1989年) |
第一三共 |
381億円
(2011/3) |
・高脂血症
・家族性高コレステロール血症 |
ピタバスタチン |
リバロ
(2003年) |
興和、日産化学
第一三共 |
300億円
73億円
(2010/3) |
2010/07/21 欧州における新薬販売許可の承認
2010/06/23 米国販売の開始 |
フルバスタチンナトリウム |
ローコール
(1998年) |
ノバルティス ファーマ
(田辺三菱製薬) |
48億円 |
同上
2010年 世界売上 436百万$ |
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フィブラート系薬
現状はスタチン系薬が主流となっていますが、フィブラート系薬は、中性脂肪の低下傾向が大きいとされています。
主に中性脂肪を低下させます。
一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
ベザフィブラート |
ベザトールSR |
キッセイ薬品工業 |
74億円
(2011/3) |
・コレステロール生合成抑制
・トリグリセリド生合成抑制
・高脂血症(家族性含む) |
フェノフィブラート |
リピディル |
科研製薬
あすか製薬 |
42億円
(2011/3) |
同上 |
帝人ファーマ |
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陰イオン交換樹脂
主にLDLコレステロールを低下させます。
一般名 |
商品名 |
販売会社 |
国内売上 |
作用 |
コレスチミド |
コレバイン |
田辺三菱製薬 |
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・コレステロール吸収抑制
・胆汁酸吸着、排泄促進作用
・高コレステロール血症
・家族性高コレステロール血症 |
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その他
一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
オメガ-3脂肪酸製剤
オメガ-3脂肪酸エチル |
ロトリガ |
武田薬品 |
− |
2013/01/10 国内発売
Pronova Biopharma ASA起源 |
EPA製剤
イコサペント酸エチル、EPA |
エパデール |
持田製薬 |
370億円
(2011/3) |
日本水産と共同開発した世界初のEPA製剤。1990年に閉塞性動脈硬化症治療薬として発売。94年には高脂血症の効能・効果を取得
・高脂血症
・血栓症 |
プロブコール |
シンレスタール |
第一三共 |
|
・主にLDLコレステロールを低下させる。
・コレステロールの胆汁酸への異化排泄促進作用
・高脂血症(家族性高コレステロール血症、黄色腫を含む) |
デキストラン硫酸ナトリウムイオウ |
MDSコーワ |
興和創薬 |
|
・LDLコレステロール中性脂肪を共に低下させる。
・トリグリセリドの分解促進
・高トリグリセリド血症 |
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配合剤 |
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一般名 |
商品名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
アムロジピンベシル酸塩・アトルバスタチンカルシウム水和物
(ノルバスクとリピトールの合剤) |
カデュエット配合錠 |
ファイザー/アステラス製薬 |
− |
2009/07/07 国内承認
2010年 世界売上 527百万$ |
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抗血栓薬は@血栓溶解薬、A抗血小板薬、B抗凝固薬の3種類に分類されます。 |
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血栓溶解薬 |
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血栓溶解薬は急性心筋梗塞、肺塞栓症において血栓や閉塞を溶解し血流を回復することを目的とします。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
ウロキナーゼ |
アボキナーゼ |
田辺三菱製薬 |
− |
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プロウロキナーゼ |
プロウロキナーゼ |
アボット |
- |
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モンテプラーゼ(遺伝子組換え) |
クリアクター |
エーザイ |
- |
t-PA製剤
1998年6月15日発売 |
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抗血小板薬 |
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抗血小板剤は、血小板の凝集を阻害します。主に白色血栓(動脈に血栓が出来やすい)を作らないようにする作用を持つ薬剤です。抗凝固剤がフィブリンの形成を阻止して、赤色血栓(静脈に血栓が出来やすい)を阻害するのとは異なり、動脈硬化巣での血栓形成を防止します。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
硫酸クロピドグレル |
プラビックス
Plavix
(経口抗血小板薬) |
サノフィ/ブリストル・マイヤーズ スクイブ |
871億円
(2011/12) |
2012年 世界売上 2,066百万£
2012年 世界売上2,547百万$
ACSが主たる適用。続いて脳梗塞に適用
2011年に欧州、2012年に米で特許切れ
パナルジンの改良型 |
クロピドグレル硫酸塩/アスピリン |
コンプラビンR配合錠 |
サノフィ |
- |
2013/09/20国内承認 |
プラスグレル |
EFIENT
(経口抗血小板薬) |
第一三共/イーライリリー |
- |
2013/06/18国内申請(ACS適用)
2009/02/23 欧州承認(ACS適用)
2009/07/11 米国承認(ACS適用)
第一三共と宇部興産が発見
第一三共とイーライリリーが共同開発 |
チカグレロル(ticagrelor) |
Brilinta
(経口抗血小板薬) |
アストラゼネカ |
- |
2010/12/06 EUが承認
2010/07/29 FDAが承認を勧告
成人急性冠症候群患者におけるアテローム血栓症予防 |
塩酸チクロビジン |
パナルジン
(経口抗血小板薬) |
サノフィ |
- |
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アスピリン |
バイアスピリン
(消炎・鎮痛・解熱剤、抗血小板薬) |
バイエル薬品 |
- |
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塩酸サルポグレラート |
アンプラーク
(血小板凝集抑制および末梢血管拡張薬) |
田辺三菱製薬 |
152億円
(2012/3) |
慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛、冷感などの虚血性症状 |
シロスタゾール |
プレタール
(経口抗血小板薬) |
大塚製薬 |
528億円
(2010/3) |
2003年4月に「脳梗塞発症後の再発抑制の効能取得 |
ベラプロストナトリウム |
プロサイリン
(慢性動脈閉塞症治療剤) |
科研製薬 |
58億円
(2011/3) |
慢性動脈閉塞症及び原発性肺高血圧症の治療剤 |
リマプロスト アルファデクス |
オパルモン
(末梢循環改善剤) |
小野薬品工業 |
446億円
(2010/3) |
閉塞性血栓血管炎に伴う潰瘍、疼痛および冷感などの虚血性諸症状の改善
後天性の腰部脊柱管狭窄症に伴う自覚症状(下肢疼痛、下肢しびれ)および歩行能力の改善 |
リマプロスト アルファデクス |
プロレナール
(末梢循環改善剤) |
大日本住友製薬 |
155億円
(2012/3) |
同上 |
イコサペント酸エチル |
エパデール
(高脂血症・閉塞性動脈硬化症治療) |
持田製薬 |
370億円
(2011/3) |
持田製薬と日本水産が共同開発 |
酒石酸イフェンプロジル |
セロクラール
(脳循環代謝改善薬) |
サノフィ・アベンティス |
- |
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E5555 |
エーザイ |
- |
日米欧で各2試験ずつのP2試験を同時進行中。ACSについて2012年度日米欧同時申請を目指し、2010年をめどにフェーズVに着手 |
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K-134 |
興和 |
- |
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※ACS : 冠動脈の狭窄が原因の臨床診断全般を指す包括的な名称で、心筋内で酸素の需要と冠動脈からの供給のバランスが乱れた結果生じる急性心筋虚血に対応する、一連の臨床症状がこれに当てはまります。
不安定狭心症、非ST上昇心筋梗塞(心電図でST上昇を示さない心筋梗塞)および急性心筋梗塞は、急性の心筋虚血を呈する臨床症候群として一連の病態と考えられており、この3つと心臓突然死を合わせて急性冠症候群と言われています。
※循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン
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抗凝固薬 |
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抗凝固剤は、凝血の元になるフィブリンの生成を抑えます。血液を固まらせないようにする抗血栓剤の中でも凝固系に対して作用するものが抗凝固剤です。主に静脈の血栓や肺塞栓に通常抗凝固薬が使用されます。
血栓が関与する脳心血管障害による国内の死亡者数は2011年で25万人超、がんに次いで多い。ワルファリンカリウムの市場にトロンビン阻害薬と第Xa因子阻害薬が参入しました。トロンビン阻害薬は早くもブロックバスターの仲間入りを果たしました。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
ビタミンK拮抗薬
ワルファリンカリウム |
ワーファリン
(経口剤) |
エーザイ |
96億円
(2011/03) |
ビタミンKの活性化を阻害することにより,ビタミンK依存性の凝固因子の生成を抑える
2010/08/30 公知申請:血栓塞栓症(静脈血栓症、心筋梗塞症、肺塞栓症、脳塞栓症、緩徐に進行する脳血栓症等)
1940年代に合成されたのを開発起源に、国内ではエーザイが血栓塞栓症の治療・予防を目的に1962(昭和37)年に発売した薬剤 |
直接トロンビン阻害剤
ダビガトラン |
プラザキサ
(経口剤) |
ベーリンガーインゲルハイム |
91億円
(2011/12) |
2011/01/21 国内承認
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
2010/09/20 FDAの諮問委員会が満場一致で承認勧告 |
トロンボモデュリン アルファ(遺伝子組換え) |
リコモジュリン
点滴静注用12800 |
旭化成ファーマ |
42億円
(2011/03) |
2008/04/18 国内販売
血液凝固阻止剤
(播種性血管内凝固症候群(DIC)の治療薬)
|
ファクターXa(テンエー)阻害剤
エノキサパリン |
ラブノックス
Lovenox
クレキサン |
サノフィ |
− |
2012年 売上高1,893百万£ |
選択的直接作用型第]a因子阻害剤
リバーロキサバン |
イグザレルト
(1日1回1錠の経口投与) |
バイエル薬品/J&J |
− |
適応:待機的膝関節・股関節置換術を受けた成人患者におけるVTE予防
世界100カ国以上で承認 |
バイエル薬品 |
2012/01/18 日本で承認 |
完全化学合成のXa阻害剤
フォンダパリヌクスナトリウム |
アリクストラ
(1日1回皮下投与) |
グラクソ・スミスクライン |
− |
2011/01/21 国内承認
急性肺血栓塞栓症及び急性深部静脈血栓症の治療
2010年 世界売上 301百万£ |
ファクターXa(テンエー)阻害剤
エドキサバントシル酸塩水和物 |
リクシアナ
(経口剤) |
第一三共 |
− |
2014/01/08 米国申請
2014/01/08 欧州申請
2011/04/22 国内承認
(下肢整形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制) |
新規経口抗FXa阻害剤
アピキサバン |
エリキュース
(経口剤) |
ファイザー
ブリストル・マイヤーズ スクイブ |
− |
2013/01/02 米国承認
2012/12/25 国内承認
2011/12/06 米国申請
2010/05/20 EU承認
選択的股関節ないし膝関節置換術後の静脈血栓塞栓症 |
ダルテパリン |
フラグミン |
キッセイ薬品工業/ファイザー |
8億円
(2011/03) |
トロンボプラスチンを抑えて凝固系を抑える
ジェネリック品多数
2010年 世界売上 341百万$ |
第Xa因子阻害作用
Otamixaban |
静注用製剤 |
サノフィ |
− |
2013/06/03 開発中止 |
ファクターXa(テンエー)阻害剤 |
ダレキサバン
(経口剤) |
アステラス製薬 |
− |
2011/09/29 開発中止 |
ファクターXa(テンエー)阻害剤 |
TAK-442 |
武田薬品工業 |
− |
静脈および動脈血栓性塞栓症治療薬
2007/11/05 米および欧州でP2試験
2010/10/26 海外P2試験で有効性示されず |
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・FXa阻害剤:血管内で血液凝固に関与するFXa(活性化血液凝固第X因子)を選択的、可逆的かつ直接的に阻害する
・急性症候性深部静脈血栓症(DVT:deep vein
thrombosis)
・静脈血栓塞栓症(VTE:venous thromboembolism) |
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(泌尿器系疾患) |
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過活動膀胱は、蓄尿障害を示唆する症状症候群で、尿意切迫感を主訴とし、通常これに頻尿や夜間頻尿を伴い、場合によっては切迫性尿失禁を伴います。トイレの不安のために外出を控えたり、夜間の睡眠が充分に取れなかったりと日々の行動が制限され、患者のQOL
が著しく低下してしまうことがOAB の大きな問題となっています。
日本排尿機能学会の疫学調査によると、40
歳以上の男女全体の12.4%、約810 万人が日本における過活動膀胱の潜在患者であると推定されています。現在、過活動膀胱治療薬市場は340億円程度ですが、4,5年後は600億円に拡大すると予測されています。 |
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尿が出にくい(排尿困難、尿がもれる、尿が出る回数が多い(頻尿)、尿が出る時に痛い(排尿時痛)といった症状は、排尿障害としてまとめられます。
尿が出にくい、頻尿があるという場合は、高齢男性では前立腺肥大症、あるいは膀胱を支配している神経に異常がある神経因性膀胱が考えられます。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬
塩酸タムスロシン |
ハルナール |
アステラス製薬 |
296億円
(2011/3) |
2010/3 世界売上 1,139億円 |
前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬
シロドシン |
ユリーフ |
キッセイ薬品工業
第一三共 |
97億円
101億円
(2011/3) |
|
前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬
ナフトピジル |
フリバス |
旭化成ファーマ |
139億円
(2011/3) |
2007/07/27 国内発売
BPHの発症に関与している前立腺・尿道平滑筋のα1受容体を遮断することより前立腺の収縮を抑制させるα1受容体遮断剤 |
神経因性膀胱改善薬
プロピベリン塩酸塩 |
バップフォー |
大鵬薬品工業 |
70億円
(2011/3) |
尿失禁・頻尿治療剤 |
神経因性膀胱改善薬
塩酸オキシブチニン |
ポラキス |
サノフィ・アベンティス |
− |
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(呼吸器系疾患) |
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以前は、「肺気腫」と呼ばれていた疾患と「慢性気管支炎」と呼ばれていた疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)として総称するようになりました。
慢性閉塞性肺疾患は、世界で2億1000万人の患者が罹患しており、2020年までに死亡原因の第3位になると予測されています。その症状が重大な障害を引き起こすため、COPDは、患者本人、家族、ひいては社会全体に深刻な影響を与えています。COPDを完全に治癒させることはできませんが、適切な治療によって症状を管理することが可能であり、早期診断と効果的な治療が重要です。COPDの最大原因は喫煙です。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
ICS/LABA配合剤
フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ビランテロール(FF/VI) |
レルベアRエリプタR
一日一回吸入剤 |
グラクソ・スミスクライン、Theravance |
- |
2013/09/20 国内承認
2013/05/10 米国承認
COPD、気管支喘息治療薬
COPD、気管支喘息治療薬
欧州 気管支喘息/COPDの適応申請中 |
LAMA/LABA合剤
インダカテロールマレイン酸塩/グリコピロニウム臭化物 |
ウルティブロR吸入用カプセル
一日一回吸入剤 |
ノバルティス ファーマ |
- |
2013/09/20 国内承認
2012/10 欧州申請、米国では2014年の申請を予定
そーせいグループから導入
COPD治療薬 |
LAMA
tiotropium
チオトロピウム臭化物 |
Spiriva
スピリーバ
一日一回吸入剤 |
ベーリンガーインゲルハイム/ファイザー |
不明 |
国際的なガイドラインでCOPDの第1選択薬に推奨。最も広く処方されている
2011年 世界売上 3,100百万£
2004年 日本発売
2002年 欧米発売
ベーリンガーインゲルハイム起源 |
LAMA
(長時間作用性ムスカリン拮抗薬)
グリコピロニウム臭化物 |
シーブリ
Seebri Breezhaler
一日一回吸入剤 |
ノバルティス ファーマ |
- |
2012/10/01 EU承認
2012/09/28 国内承認
エーザイと共同プロモーション
2014 米国申請予定
COPD治療薬
ベクチュラ社、そーせいグループ起源 |
LABA
(β2アドレナリン受容体刺激剤)
サルメテロールキシナホ酸塩 |
セレベント |
グラクソ・スミスクライン |
不明 |
2010年 世界売上 201百万£ |
LABA
ホルモテロールフマル酸塩水和物 |
オーキシス
一日一回吸入剤 |
アストラゼネカ
Meiji Seika ファルマ |
- |
2012/09/03 国内発売 |
LABA
長時間作用性吸入気管支拡張剤
インダカテロールマレイン酸塩 |
オンブレス
Onbrez Breezhaler
カプセル150 μg
一日一回吸入剤 |
ノバルティス ファーマ |
- |
2011/11/18 エーザイと共同プロモーション契約の締結
2010/09/20 国内発売
OnbrezR BreezhalerRの製品名で、欧州連合(EU)、スイス、オーストリアをはじめ世界30カ国以上で承認されている(2010年7月現在)
COPD治療薬 |
LABA/ステロイド剤合剤
サルメテロールキシナホ酸塩 / フルチカゾンプロピオン酸エステル
(フルタイドにセレベント(LABA)を加えた合剤) |
アドエア |
グラクソ・スミスクライン |
不明 |
2010/04/23 国内販売
2010年 世界売上 5,139百万£
COPD、気管支喘息治療薬 |
LABA/ステロイド剤合剤
ホルモテロールフマル酸塩水和物/ブデソニド(パルミコートにオーキシス(LABA)を加えた合剤) |
シムビコート
1日2回吸入剤 |
アストラゼネカ |
- |
2010/01/13 国内発売
2000年に欧州で初めて承認
COPD、気管支喘息治療薬 |
選択的ホスホジエステラーゼ(PDE)-W阻害薬
ロフルミラスト |
Daliresp
ダクサス(加・EU)
一日一回経口剤 |
Nycomed
(武田薬品工業) |
未発売 |
2011/03/01 FDA承認
COPD治療薬 |
短時間作用性β2アドレナリン受容体刺激剤/抗コリン剤合剤
(気管支拡張薬)
硫酸サルブタモー・イプラトロピウム臭化物 |
コンビベント吸入剤 |
ベーリンガーインゲルハイム |
未発売 |
2010年 世界売上 727百万£
気管支喘息治療薬 |
LABA
クレンブテロール塩酸塩 |
スピロペント |
帝人ファーマ |
- |
気管支喘息治療薬 |
抗コリン剤
(気管支収縮抑制剤)
イプラトロピウム臭化物水和物 |
アトロベ ント |
帝人ファーマ |
- |
2010年 世界売上 804百万£
気管支喘息、慢性気管支炎治療薬
ベーリンガーインゲルハイム起源 |
吸入ステロイド喘息治療剤
シクレソニド |
オルベスコ |
帝人ファーマ |
- |
気管支喘息治療薬 |
吸入ステロイド剤
プロピオン酸フルチカゾン |
フルタイド
Flixotide/Flovent |
グラクソ・スミスクライン |
不明 |
気管支喘息治療薬 |
吸入ステロイド剤
ブデソニドBudesonide |
パルミコート |
アストラゼネカ |
不明 |
気管支喘息治療薬 |
LAMA/LABA合剤
ウメクリジニウム/ビランテロール
(UMEC/VI) |
一日一回吸入剤 |
グラクソ・スミスクライン、Theravance |
- |
2013/04/23 国内申請
2013/01/10 欧州承認申請
2012/12/18 米国承認申請
COPD治療薬 |
β2アドレナリン・レセプター作動薬
ベドラドリン |
MN-221 |
Medicinova, Inc. |
- |
2011/08/24 フェーズ1b反復投与臨床試験結果
キッセイ薬品工業株式会社が創製
COPD治療薬 |
長時間作用型気管支拡張薬
Aclidinium
アクリジニウム臭化物 |
KRP-AB1102
(吸入剤) |
キョーリン製薬 |
- |
臨床試験準備中
2011/02/24 ライセンス契約
アルミラール社(スペイン)起源
COPD治療薬 |
LABA/吸入ステロイド薬合剤
フルチカゾンプロピオン酸エステル
長時間作用性β2 刺激薬
ホルモテロールフマル酸塩水和物 |
KRP‐108
定量噴霧式吸入剤 |
キョーリン製薬 |
- |
2012/09/25 国内承認申請
SkyePharma PLC起源
気管支喘息治療薬 |
長時間作用型抗コリン性気管支拡張剤
チオトロピウム |
1日1回吸入剤 |
ベーリンガーインゲルハイム |
- |
2012/09/03 P3結果
気管支喘息治療薬 |
CRTh2とPGD2の結合を阻害 |
ADC3680 |
帝人ファーマ |
- |
2012/09/26 独占的開発・製造・販売契約を締結
プルマジェン社(英国)起源
気管支喘息治療薬 |
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※ LAMA:長期作用性ムスカリン拮抗剤(Long-Acting Muscarinic Antagonist)
LABA:長時間作用型β2作動薬(Long-Acting
Beta2 Agonist)
ICS:吸入コルチコステロイド(Inhale
corticosteroid)
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間質性肺炎とは、肺の間質(肺の空気が入る部分である肺胞を除いた部分で、主に肺を支える役割を担っています)を中心に炎症を来す疾患の総称です。
細菌などの感染がないにもかかわらず、何らかの原因で、肺の中の「間質」という部分に、慢性的に炎症が起こる病気です。間質は、気管支の先端にある肺胞と肺胞の間にある組織のことで、炎症により、硬く、厚くなっていきます。そのため、間質性肺炎では、肺全体が硬くなり、広がりにくくなって、息を十分に吸い込めなくなるのです。60歳以上の高齢の男性で、喫煙している人に多く発症し、3〜4年かけてゆっくりと進行する病気です。特発性肺線維症(単に肺線維症ともいう)など多様な病型を含んでいますが、その多くは原因が不明であり、また治療も困難な疾患です。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
抗線維化剤
ピルフェニドン |
ピレスパ |
塩野義製薬 |
28億円
(2011/3) |
2008/10/16 特発性肺線維症治療薬の製造販売承認取得 |
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*特発性肺線維症:原因不明の疾患であり、肺胞壁の線維化が進行することにより、不可逆性の蜂巣肺(高分解能CT
にて肺が蜂の巣様に写る状態)形成をきたす予後不良の疾患です。一般的に拘束性障害〔肺活量や全肺気量の減少〕が認められます。症状(肺胞壁の線維化)が進行すると肺でのガス交換(酸素と二酸化炭素の交換)が困難になり酸素吸入療法等が必要になる場合もあります。当該疾患は、重症度によっては、特定疾患(いわゆる難病)に指定されています。 |
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インフルエンザウイルスは元々鴨など鳥類の腸内ウイルスが起源であり、感染したアヒルやニワトリなどの家禽から、通常ブタを介して人に感染致します。感染力が大変強く、飛沫感染により潜伏期間1〜2日を経て発病、低温・低湿度の冬季に大流行します。
世紀の四大流行といわれるものに、1918〜1919 スペインかぜ、1957〜1958 アジアかぜ、1968〜1969 香港かぜ、1977〜1978のソ連かぜがあり、このうち、スペイン風邪は、6億の人が罹り、2300万人が死亡、わが国でも人口の半数近くが罹り、38万人が亡くなりました。人々が免疫を持たない新型インフルエンザが発生すると、このように一大脅威となります。
インフルエンザには、ウイルス表面突起の抗原性の違いによるA型、B型、C>型があります。C型は、稀に小児期に重症化することがありますが、成人では症状が軽く、いずれにもあまり問題になりません。 インフルエンザ(特にB型)は、若年者に多く感染する傾向があります。
循環器官用剤と感染症治療剤の国内市場を調査 2008年4月11日 富士経済
−予防接種の増加とがん予防で市場拡大が期待されるワクチン製剤− |
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20世紀に大流行した新型インフルエンザ |
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季節性インフルエンザ |
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季節性ウイルスには「Aソ連型」「A香港型」「B型」の3種類があります。日本では年間1万人前後が死亡。近年の死亡者の8割以上は65歳以上の高齢者です。米国では毎年平均して約3万6000人が、通常のインフルエンザにより死亡。全世界ではその数は、推定で25─50万人に達するといわれています。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
ノイラミニダーゼ阻害剤
オセルタミビル |
タミフル・内服 |
中外製薬 |
87億円
(2011/12) |
効能・効果:A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療 |
ノイラミニダーゼ阻害剤
ザナミビル |
リレンザ・吸入 |
グラクソ・スミスクライン |
- |
効能・効果:A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療
2010年 世界売上 121百万£ |
アマンタジン |
シンメトレル・内服 |
ノバルティス ファーマ |
- |
効能・効果:A型インフルエンザウイルス感染症の治療 |
ノイラミニダーゼ阻害剤
ペラミビル水和物 |
ラピアクタ
(点滴静注用) |
塩野義製薬 |
3億円
(2011/3) |
2010/01/26 国内発売
効能・効果:A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療
本剤による治療は1回で完結 |
長時間作用型ノイラミニダーゼ阻害剤
ラニナミビルオクタン酸エステル水和物 |
イナビル吸入粉末剤20r |
第一三共 |
66億円
(2011/3) |
2012/08/22 P3試験(インフルエンザウイルス感染症予防)結果
2010/09/10 国内承認(2010/10/19 国内発売)
効能・効果:A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療
本剤による治療は1回で完結
オセルタミビルの5日間投与と同等の効果を示す |
ウイルス由来RNAポリメラーゼ阻害剤
ファビピラビル |
T-705 |
富山化学工業 |
- |
2011/03/30 国内申請
2010/02/15 米国での臨床第II相試験を開始
ウイルス表面突起の抗原性の違いに依存しないため、H5N1型を含む広範囲なインフルエンザをターゲットとする。 |
Specific anti-H5N1 polyclonal immunoglobulins
(ウイルスを中和する高純度の免疫グロブリン) |
ウイルスを認識・標的化・中和できる特化型抗体(免疫グロブリン)を患者に注射 |
Fab’entech |
- |
2012/10/11 第1相臨床試験をシンガポールで開始 |
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※RNAポリメラーゼ
人間の細胞でタンパク質が合成される過程の出発点はDNAで、RNAポリメラーゼによりDNAの情報がRNAに転写され、その情報をもとにタンパク質がつくられます。 |
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プレパンデミックワクチン |
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「新型インフルエンザ用のワクチン」は、新型インフルエンザウイルスが発生しないと製造することができません。現時点では、新型インフルエンザウイルスが存在しないため、ワクチンもありません。しかし、日本を含む先進工業国では、これまでの鳥からヒトへ感染した事例から分離されたウイルスを元にワクチン用に開発された種ウイルスから、A/H5N1亜型のインフルエンザウイルスに対するワクチンを開発しています。このワクチンは「プレパンデミックワクチン」という位置づけになり、新型インフルエンザ用のワクチンではありません。
実際にはパンデミックになった際に、そのときのウイルスを使用して製造される「パンデミックワクチン」が必要となります。
しかしながら、パンデミックワクチンはあくまでパンデミックが発生してからでないと製造できませんし、その製造には、ウイルスが発見されてから少なくとも6カ月間かかります。このため、最初のパンデミック第一波には間に合わないので、状況によっては、少なくとも基礎免疫をつけることができる「プレパンデミックワクチン」を接種することも考えられています。 |
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日本のワクチンメ−カー |
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用語説明 |
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ノイラミニダーゼ
ノイラミニダーゼ(NA)は、ウイルス表面にある突起のことで、NAは、生体内に侵入したウイルスが標的細胞に到達する前にシアル酸を含む阻害因子で不活化されることを防ぎます。また、NAは感染細胞内で増殖したウイルス粒子が、感染細胞から放出する際に働きます。この働きによってウイルスは、未感染の細胞へと次第に広がっていき、さらなる増殖が可能になります。ノイラミニダーゼ阻害剤はこの働きを止めることで、インフルエンザウイルスの増殖を抑えます。日本国内で承認されているノイラミニダーゼ阻害剤には、ザナミビルやリン酸オセルタミビルがあります。
現在、ノイラミニダーゼはA型インフルエンザウイルスにおいて9種類が報告されており、ヒトに感染するインフルエンザウイルスではN1、N2の2種類がわかっています。その他、ブタ(N2、N3)、ウマ(N7、N8)、アザラシ(N6、N8)について、2種類が確認されていますが、鳥類は9種類全てのケースが報告されています。
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RNAポリメラーゼ
DNAを鋳型として RNA を合成する酵素で「転写酵素」とも呼ばれる。正確には「DNA 依存性 RNA ポリメラーゼ」といい、数種類のタンパク質(サブユニット)から構成されるタンパク複合体である。タンパク質の設計図は遺伝子DNAに存在するが、遺伝子に書かれたタンパク質の情報(塩基配列)はいったんmRNA(メッセンジャーRNA)に転写された後に、リボソームによってアミノ酸へと翻訳されタンパク質ができる。ここでDNAからmRNAへの転写を行うのがRNAポリメラーゼである。RNAポリメラーゼは遺伝子DNAを鋳型に、RNAの素となる4つのヌクレオシド(A:アデノシン,
U:ウリジン, G:グアノシン, C:シチジン)を重合しmRNAを合成する。
また鋳型を必要としない酵素もあり、真核生物のもつpoly(A) ポリメラーゼは、鋳型を必要としないで逆転写産物にpoly(A) 鎖を付加することで転写後の遺伝子発現制御機能を持っている。これを鋳型非依存性RNAポリメラーゼという。
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高病原性鳥インフルエンザ
高病原性鳥インフルエンザとは、鳥類のうちニワトリなどの家禽類に高致死性の病原性を示すインフルエンザウイルス感染による疾病で、家禽類が感染すると、神経症状、呼吸器症状、消化器症状等の全身症状をおこします。また、これまでに弱毒のインフルエンザウイルスが家禽類で伝播を繰り返すうちに、強毒に変異した事例も確認されています。1997年に香港で発生した高病原性鳥インフルエンザウイルス感染による18人中6人死亡の症例以来、家禽類に限らず、重要な人獣共通感染症と認識されています。
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H5N1型トリインフルエンザウイルス
A型インフルエンザウィルスの一種であり、高病原性トリインフルエンザの原因となるウィルス。
感染力にきわめて富む種類であり、鳥類だけでなく人にも感染する。 現在人から人へは感染しないがこのウィルスは変異して新型インフルエンザウィルスになる可能性が高いと言われており、WHOが警告している。
今までのインフルエンザウィルスは呼吸器の表層の炎症だけで済んでいるが、このウィルスは血液を介して他の内臓にも炎症を引き起こさせる重篤度の高い危険なウィルスである。 |
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(消化器系疾患) |
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近年食事の欧米化が進み増えてきました。胃酸が逆流して、食道の粘膜を傷つけることによって、「胸やけ」や、のどの違和感、げっぷがあがってくるなどの症状が出ます。欧米では成人の約40%が、日本でも20%近くが逆流性食道炎ではないかと推測されています。 |
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一般名 |
商品名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
プロトンポンプ阻害剤(PPI)
ランソプラゾール |
タケプロン |
武田薬品工業 |
765億円
(2012/3) |
2012/03 世界売上 1,221億円
胃粘膜のプロトンポンプの酵素活性を阻害することによって、胃酸の分泌を抑制。胃・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症などの治療。 |
プロトンポンプ阻害剤(PPI)
ラベプラゾールナトリウム |
バリエット |
エーザイ |
602億円
(2011/3) |
2011年 世界売上 1,369億円
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、Zollinger−Ellison症候群の治療。逆流性食道炎の治療。 |
プロトンポンプ阻害剤(PPI)
エソメプラゾールマグネシウム水和物 |
ネキシウム
(1日1回投与) |
アストラゼネカ/第一三共(流通・販売) |
− |
2011/09/15 国内発売
2010/10/29 第一三共とコ・プロモーション契約
世界で最も売れているPPI。
2010年 世界売上 4,969百万$
アストラゼネカ起源。オメプラゾールの光学分割薬 |
プロトンポンプ阻害剤(PPI)
オメプラゾール |
オメプラール |
アストラゼネカ |
− |
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プロトンポンプ阻害剤(PPI)
オメプラゾール |
オメプラゾン |
田辺三菱製薬 |
48億円
(2011/3) |
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モサプリドクエン酸塩水和物 |
ガスモチン |
大日本住友製薬 |
212億円
(2012/3) |
胃腸管神経に働いて胃腸の運動を活発にし、吐き気、嘔吐、食欲不振、膨満感、胸やけなどの症状を改善する。 |
カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB) |
TAK-438 |
武田薬品工業 |
− |
2014/03/27 大塚製薬と国内共同プロモーション契約を締結
2014/02/28 国内申請
既存のPPI製剤と比較して強力な胃酸分泌抑制作用、短時間での作用発現、長時間の作用持続などの点で上回る効果を期待。 |
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ロタウイルス胃腸炎は、ロタウイルスの感染によって引き起こされる胃腸炎であり、世界中の5歳以下の小児の約95%がロタウイルスに感染しています。主な症状は激しい下痢や嘔吐で、重症化すると脱水症状や合併症から死にいたることもあり、世界での年間死亡者数は60万人以上と推定され、死亡例の多くは、アフリカ、インド亜大陸、およびラテンアメリカなどの途上国で発生しています。
医療が充実している日本での死亡例は少ないものの、年間約80万人の乳幼児が小児外来を受診し、約7万8,000人の5歳未満の小児が入院していると推定されています。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
ロタウイルス胃腸炎予防ワクチン |
Rotarix
(経口剤) |
グラクソ・スミスクライン |
未発売 |
2009/11/27 国内承認申請
2回接種の経口ワクチン
現在 、乳幼児を対象に凍結乾燥製剤あるいは液剤として世界116ヵ国で承認されている。
2010年 世界売上 235百万£ |
5価経口生ロタウイルスワクチン |
RotaTeq
(経口剤) |
MSD |
- |
2010/03/31 国内承認申請
経口の生ワクチン
2006年米国で「RotaTeq」の製品名で承認され、これまでに世界90以上の国または地域で承認されている。 |
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現在、日本では約150 万〜200 万人のC型肝炎ウイルス感染者がいると推定され、また肝細胞癌患者の約80%はC型肝炎ウイルスの感染者であることがわかっています。
C型慢性肝炎の根治療法としてインターフェロン製剤が広く用いられており、その使用にあたっては厚生労働省から「肝硬変を含めたウイルス性肝疾患治療の標準化に関するガイドライン2009」が示され、難治例と判断された症例に対しては、ペグインターフェロン
アルファ製剤とリバビリンとの併用療法が推奨されています。
国立国際医療センター 肝炎情報センター
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
(天然型)
インターフェロン ベータ製剤 |
フエロン |
東レ/第一三共 |
- |
1985年より販売を開始した国内初のインターフェロン製剤 |
(天然型)
インターフェロンーα製剤 |
スミフェロン |
大日本住友製薬 |
51億円
(2011/3) |
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(遺伝子組換え)
インターフェロンアルファコン−1 |
アドバフェロン |
アステラス製薬 |
- |
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(遺伝子組換え)
ペグインターフェロン アルファ−2a |
ペガシス |
中外製薬/ロシュ |
83億円
(2011/12) |
2010年 世界売上 1,645百万CHF |
ペグインターフェロンα-2b |
ペグイントロン |
Merck & Co., Inc.
MSD |
- |
2010年 世界売上 737百万$ |
抗ウイルス薬
リバビリン |
レベトール |
Merck & Co., Inc.
MSD |
- |
ペグ化インターフェロン併用療法で使用
2010年 世界売上 221百万$ |
NS3-4Aプロテアーゼ阻害剤
Telaprevir(テラプレビル)
(第一世代) |
INCIVEK
(経口剤) |
ヴァーテックス
田辺三菱製薬 |
14億円
(2012/3) |
2011/09/26 国内承認
2011/05/23 FDAが承認
インターフェロン抵抗性のジェノタイプ1
HCV
RNAウイルスを強力に抑制する経口投与が可能な治療薬
米ヴァーテックス社起源 |
テラビックR錠250mg
(経口剤) |
C型肝炎プロテアーゼ阻害剤
boceprevir(ボセプレビル)
(第二世代) |
VICTRELIS
(経口剤) |
Merck & Co., Inc. |
未発売 |
2011/05/20 EUが承認勧告
2011/05/17 Roche社と共同販売で合意
2011/05/13 FDAが承認 |
合剤
ABT-450/r, ABT-267, ABT-333
and ribavirin |
M11-652 (Aviator) |
Abbott |
- |
2012/10/15 フェーズ2b試験において良好な結果 |
プロテアーゼ阻害剤
(第二世代) |
BI 201335 NA
(1日1回経口) |
ベーリンガーインゲルハイム |
- |
2011/04/06 フェーズ2試験において良好な結果 |
プロテアーゼ阻害剤
(第二世代) |
TMC435 |
Medivir AB |
- |
2011/05/20 フェーズ2試験実施中 |
ヌクレオチドポリメラーゼ阻害剤
Sofosbuvir |
GS-7977
(経口剤) |
Gilead Science |
- |
2013/02/04 フェーズ3試験で良好な結果 |
ポリメラーゼ阻害剤 |
GS 9190 |
Gilead Science |
- |
P2実施中 |
ポリメラーゼ阻害剤
フィリブビル |
|
ファイザー |
- |
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ポリメラーゼ阻害剤 |
R1626 |
ロシュ |
- |
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ポリメラーゼ阻害剤 |
JTK-853
(経口剤) |
日本たばこ産業 |
- |
海外P1実施中 |
ヌクレオチドのポリメラーゼ (NS5B) 抑制剤 |
BMS-986094 |
Bristol-Myers Squibb |
- |
2012/08/23 開発中止 |
肝硬変・肝癌への進行阻止 |
ME3738
(経口剤) |
Meiji Seikaファルマ |
- |
2012/04/18 開発中止 |
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※1 プロテアーゼ阻害剤:ウイルスタンパク質を作る過程を阻害する薬。C型肝炎治療の次世代薬に位置付けられる。既存療法に上乗せすることで治癒率が最大2倍近くに向上する優れた抗ウイルス作用が確認されている。
※2 ポリメラーゼ阻害剤:ウイルス遺伝子が増えるのを阻害する薬。 |
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(感染症) |
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国連合同エイズ計画(UNAIDS)は2011年6月3日、世界のエイズ感染者総数が昨年末時点で推計3400万人以上だったと発表した。新規感染率は年々減っているが、過去10年間で感染者が700万人増加した。
UNAIDSは2015年までに、少なくとも年間220億ドル(約1兆7800億円)の拠出を要請。中低所得国への治療薬普及により、20年までに1200万人の新たな感染を防ぎたいとしている。
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
備考 |
HIVインテグラーゼ阻害剤
ラルテグラビル |
アイセントレス
Isentress
(1日2回投与) |
Merck & Co., Inc./MSD |
2008/07/07 国内で発売
世界初のインテグラーゼ阻害薬
2007年末上市。世界85カ国以上で承認
2012年 世界売上 1,515百万$ |
HIVインテグラーゼ阻害剤
ドルテグラビル |
S-349572
Tivicay
(1日1回投与、
ブースト剤なし) |
VIIV |
2013/12/05 国内承認申請
2013/11/26 欧州でCHMPから承認勧告を受ける
2013/08/15 米国における承認を受ける |
HIVインテグラーゼ阻害剤
Elvitegravir:エルビテグラビル |
JTK-303 |
日本たばこ産業
ギリアド・サイエンシズ |
開発中
米国ギリアド・サイエンシズ社へ日本を除く全世界の開発・商業化権を導出
日本たばこ産業起源 |
配合剤
エルビテグラビル
コビシスタット
エムトリシタビン
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩 |
スタリビルド配合錠 |
日本たばこ産業
ギリアド・サイエンシズ |
2013/05/27 欧州承認
2013/03/25 国内承認
2012/08/27 米国承認
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プロテアーゼ阻害剤 |
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cobicistat:コビシスタット
(プロテアーゼ阻害剤増幅薬) |
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日本たばこ産業 ギリアド・サイエンシズ |
2012/06/28 米国申請 |
atazanavir sulfate
アタザナビル硫酸塩 |
Reyataz
レイアタッツ |
Bristol-Myers Squibb |
2012年 世界売上 1,521百万$ 2003/12 承認 |
ダルナビル:darunavir |
PREZISTA プリジスタナイーブ |
ヤンセンファーマ |
2011年 世界売上 1,211百万$
2012/07/13 800r錠剤型追加 国内申請
2006年6月 米国で承認
2007年2月 欧州で承認
2007年11月 日本で承認 |
リトナビル:ritonavir
(プロテアーゼ阻害剤増幅薬) |
ノービア |
アボット ジャパン |
1999/08 承認 |
インジナビル |
クリキシバン |
MSD |
1997/03 承認 |
メシル酸サキナビル |
インビラーゼ |
中外製薬 |
1997/09 承認 |
サキナビル |
フォートベイス |
中外製薬 |
2000/04 承認 |
ネルフィナビル |
ビラセプト |
日本たばこ産業 |
1998/03 承認 |
アンプレナビル |
プローゼ |
|
1999/09 承認 |
ロピナビル・ リトナビル |
カレトラ |
アボット ジャパン |
2000/12 承認 |
ホスアンプレナビル |
レクシヴァ |
VIIV |
2005/01 承認 |
(核酸系)逆転写酵素阻害剤
NRTI=Nucleoside Reverse Transcriptase Inhibitor |
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ジドブジン・ラミジン |
コンビビル
Combivir |
VIIV |
1999/06 承認
2011年販売高:5億ドル |
ラミブジン・硫酸アバカビル製剤 |
エプジコム
Epzicom |
VIIV |
2005/01 承認
2011年販売高:10億ドル |
ジドブジン |
レトロビル |
VIIV |
1987/09 承認 |
ジダノシン |
ヴァイデックス |
ブリストル・マイヤーズ |
1992/06 承認 |
ザルシタビン |
ハイビット |
中外製薬 |
1996/04 承認 |
ラミブジン |
エピビル
Epivir |
グラクソ・スミスクライン |
1997/02 承認 |
サニルブジン |
ゼリット |
ブリストル・マイヤーズ スクイブ |
1997/07 承認 |
アバカビル |
ザイアジェン |
VIIV |
1999/09 承認 |
*テノホビル |
ビリアード |
ギリアド・サイエンシズ/日本たばこ産業 |
2004/04 承認 |
*エムトリシタビン |
エムトリバ |
ギリアド・サイエンシズ/日本たばこ産業 |
2005 承認 |
(非核酸系)逆転写酵素阻害剤
NNRTI=Non-Nucleoside Reverse
Transcriptase
Inhibitor |
エジュラントTM錠25mg |
ヤンセンファーマ
Johnson & Johnson |
2012/02/07 国内申請
2010/05/20 FDA承認
Tibotec Pharmaceuticals起源 |
リルピビリン |
|
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ネビラピン |
ビラミューン |
日本ベ−リンガ−インゲルハイム |
1998/11 承認 |
*エファビレンツ |
ストックリン
Sustiva |
MSD |
1999/09 承認 |
デラビルジン |
レスクリプター |
ファイザー |
2000/02 承認 |
エトラビリン |
インテレンス |
ヤンセンファーマ |
2009/01/19 日本で発売
Tibotec Pharmaceuticals起源 |
合剤
(エファビレンツ/テノホビル/エムトリシタビンの配合剤) |
アトリプラ
Atripla |
ギリアド・サイエンシズ |
2011年 世界売上 3,200百万$
(ギリアド・サイエンシズ : 863百万$) |
核酸系逆転写酵素阻害剤
(テノホビル/ジソプロキシルの配合剤) |
ツルバダ
Truvada |
ギリアド・サイエンシズ |
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(テノホビル/エムトリシタビンの配合剤) |
ツルバダ
Truvada Combination Tablets |
ギリアド・サイエンシズ/日本たばこ産業 |
2012/07/16 初の予防薬として米国で承認
2005 承認 |
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※インテグラーゼ阻害剤
インテグラーゼ阻害剤は新しいクラスの抗HIV薬であり、ウイルスDNAがヒトT1リンパ球の染色体DNAに組み込まれるのを阻害することにより、HIVが複製するのを防ぎます。このインテグレーションの過程は、HIVの複製に不可欠です。インテグラーゼ阻害剤はそのユニークな阻害機序とHIVの薬剤耐性化に対処して新しい治療法を確立するために大きなl興味をもたれておりり、今日、インテグラーゼ阻害剤は最も活性の強い抗HIV薬の1つとして、また副作用の少ない薬剤として認められています。
※プロテアーゼ阻害薬
感染細胞の中でHIVの部品が作られる時、HIV蛋白(gag-pol)を切り出す"はさみ"の役割がHIVプロテアーゼ。はさみの刃にはまり込んで働きを邪魔する薬があれば、成熟HIVができない。プロテアーゼ阻害剤は成熟した感染性のHIVができるのを食い止めることになる。
※(非核酸系)逆転写酵素阻害剤
核酸に似た構造を持たない逆転写酵素阻害剤のこと。逆転写酵素に結合し、活性部位の立体構造を変えることにより酵素の阻害効果を発揮します。(非核酸系)逆転写酵素阻害剤は単剤でも非常に強力にHIVの増殖を抑制します。しかしわずか1ヶ所の遺伝子変異で耐性となり、しかも短期間におこる。従って併用療法が基本です。 |
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敗血症は、感染に対する過剰な全身性炎症反応が生じた重篤な病態です。重症例では、敗血症性ショックや血管内凝固症候群、臓器不全を引き起こすため、死亡率が非常に高くなります。現在、重症敗血症の治療は選択肢も限られており、米国では毎年20万人以上が重症敗血症で命を落としていると言われています。 |
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※敗血症の治療 |
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抗生物質とは、微生物が産生し、ほかの微生物の増殖を抑制する物質の総称。抗生物質を含む抗菌剤は、細菌が増殖するのに必要な代謝経路に作用することで細菌にのみ選択的に毒性を示す(人体への毒性はそれに比べはるかに小さい)化学物質です。
世界で最初に抗生物質が発見されたのは1929年のことです。A.Flemingによって青カビから単離されたPenicillinが最初です。この発見を契機としてさまざまな抗生物質が探索・合成されるに至りました。
抗生物質がもっとも威力を発揮するのは感染症に対してです。昔は現在ほど医学が発達しておらず、赤痢・結核・コレラなどに代表される感染症は脅威とされてきました。優れた抗生物質が発見・開発により、今日では感染症で死亡する人はかなり少なくなっています。
最近では科学の進歩によって、微生物を介さずに抗菌力を持った薬剤を合成することが可能となり、こうした化合物では抗生物質の定義から外れるために、「抗菌剤」という呼び方をすることもあります。さらに厳密に言えば抗生物質も抗菌剤に含まれることになり、これらを一まとめに「抗菌剤」と呼ぶことも多いものです。
風邪に伴う気管支炎などを抑える経口型の抗菌剤は作用メカニズムによってセフェム系、ニューキノロン系、マクロライド系が大半を占めます。セフェム系は塩野義製薬の「フロモックス」が、ニューキノロン系は第一三共の「クラビット」が圧倒的なシェアを持っています。マクロライド系は大正富山医薬品の「クラリス」が代表的な製品です。
国内の抗菌薬市場は5,000億円弱(後発薬除く)と言われていますが、毎年数%のペースで縮小しています。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
セフェム系 |
合成抗菌剤/セフェム
セフカペン ピボキシル |
フロモックス |
塩野義製薬 |
219億円
(2011/3) |
グラム陽性菌のほか、大腸菌やインフルエンザ菌などグラム陰性菌に強い抗菌力を発揮します。 |
キノロン系 |
合成抗菌剤/ニューキノロン
レボフロキサシン |
クラビット |
第一三共
J & J、サノフィ・アベンティス |
324億円
(2011/3) |
2011/03 世界売上 691億円
皮膚感染症、呼吸器感染症、泌尿器感染症、婦人科感染症、眼科感染症、耳鼻科感染症、歯科感染症など広い範囲の感染症の治療に使用されます。 |
ニューキノロン系抗菌製剤
パズフロキサシンメシル酸塩注射液 |
パシル
パズクロス |
大正富山医薬品
田辺三菱製薬 |
- |
2010/07/23 効能・効果追加承認取得
適応菌種:「肺炎球菌」の追加
適応症:「敗血症」の追加 |
経口合成抗菌剤
メシル酸ガレノキサシン水和物 |
ジェニナック
(経口剤) |
大正富山医薬品/
アステラス製薬 |
45億円
(2011/3) |
2007/07/31国内承認
効能・効果:咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、中耳炎、副鼻腔炎 |
マクロライド系 |
合成抗菌剤
クラリスロマイシン |
クラリス |
大正富山医薬品 |
229億円
(2011/3) |
主にブドウ球菌,レンサ球菌,インフルエンザ菌,またマイコプラズマ,クラミジアなどに効力を示すので、皮膚,呼吸器・泌尿器・耳鼻・歯科領域などの感染症に広く用いられます。 |
ソリスロマイシン |
CEM-101 |
Cempra, Inc.
富山化学工業 |
- |
2013/09/06 FDAがQIDP指定
2013/05/14 富山化学、ライセンス契約を締結
肺炎球菌、マイコプラズマに対し強い抗菌活性を示すと共に、比較的高い免疫調整作用(抗炎症作用)を有する |
その他 |
合成抗菌剤/カルバペネム系
メロペネム |
メロペン |
大日本住友製薬 |
122億円
(2012/3) |
1995年6月 国内承認
グラム陽性菌・グラム陰性菌による中等度以上の各種感染症に幅広く使用されています。 |
β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤
注射用タゾバクタムナトリウム・ピペラシリンナトリウム |
ゾシン |
大正富山医薬品
大鵬薬品工業 |
148億円
(2011/3) |
2008/07/16国内承認
効能・効果:敗血症、肺炎、腎盂腎炎、複雑性膀胱炎 |
新規脂質化グリコペプチド系
テラバンシン |
ヴィバティブ |
アステラス製薬 |
- |
2010/05/23 EU承認勧告 |
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花粉症は1960年代から増え始め、現在では日本人の約2割、、約2400万人が花粉症患者であると言われています。原因となる花粉は日本ではスギやヒノキが多いのですが、イネ科やキク科など50種以上の植物による花粉症が確認されています。
スギによる花粉症が日本で急増している原因としては、第二次世界大戦後に木材用として都市近郊に植えられたスギが、安い海外からの木材が使われるようになったことなどで切られないまま大量に残り、ちょうど開花時期を迎えていることや、自動車などの排ガスに含まれる細かい粒が花粉と結びつき、症状を引き起こす説などが指摘されています。
花粉症の医療費は2000億円、医療費以外の、市販薬や、マスク、甜茶などいわゆる花粉症市場は1000億ともいわれています。花粉症向け薬品の市場は成長が見込め、製薬企業は新薬の開発体制を強化しています。 |
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海外の事情 |
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人口の1割超の4000万人が花粉症とされる米国では、晩春から初夏にかけてはムギやイネ科の植物、夏から秋口にかけては道端のブタクサが花粉を飛ばします。花粉シーズンは暖冬と猛暑によって徐々に通年化しつつあります。
仏ではでは人口の約2割が花粉症などに苦しんでいるそうです。欧州諸国ではイネ科の植物が中心。ハンノキ、ポプラ、スギやハンノキ、カバノキなどが花粉を飛ばします。スペインやイタリアも花粉量が多く、セルビアなど中東欧も含め、欧州全域が花粉の影響を受けつつあります。
19世紀初頭の英国で、干し草を扱う農家の人々が症状を訴えたのが花粉症の最古の例の一つとされ、欧米では今でも花粉症を「枯れ草熱」(hay fever)と呼ぶそうです。 |
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花粉症のメカニズム |
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花粉が体に入ると、体内の免疫反応で花粉に含まれる成分を異物(抗原)と認識してIGE抗体という特殊なタンパク質ができます。この抗体がたまると、再び体内に入ってきた花粉とくっつき、炎症を引き起こすヒスタミンなどの物質を放出します。これが目や鼻の粘膜に作用し、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどを引き起こします。 |
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抗ヒスタミン剤 |
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病院で最近処方される抗ヒスタミン剤は第2世代と呼ばれ、市販薬に配合される旧世代のものよりずっと眠くなりにくくなっています。中でも注目度が高いのは、2004年秋に発売されたシェリング・プラウ社の「クラリチンレディタブ錠」です。一般的に抗ヒスタミン剤の服用後は自動車の運転を避けるべきとされていますが、この薬はサノフィ・アベンティス社の「アレグラ」とともに、添付文書でも特に注意喚起はされていません。水なしで飲める便利さや、一日一回の服用で済むことも受けています。
アレグラ(サノフィ・アベンティス) 2000年11月発売、国内シェアトップ。飲んでも眠くなりにくい。
クラリチンレディタブ錠(シェリング・プラウ) 2004年11月発売 水なしで飲める。口に入れると1秒で溶ける。
アレグラ同様、眠くなりにくい。 |
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根治療法 |
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減感作療(げんかんさ)法は、花粉のエキスを注射してアレルギー反応を弱める免疫療法の一種で、現在唯一の根治療法です。有効性は7〜8割と高いのですが2〜3年以上続ける必要があり、ごくまれに起きる重篤な副作用を恐れ、避ける医師が多いといわれています。これに対し「舌下」療法は注射より多くのエキスを投与でき、治療をやめても3年間は効果が続きます。重い副作用が少なく、患者の負担も小さいので小児にも使いやすいといわれています。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
フェキソフェナジン塩酸塩に塩酸プソイドエフェドリンを配合した経口配合剤 |
ディレグラ配合錠
(経口配合剤) |
サノフィ |
- |
2012/12/25 国内承認 |
第2世代抗ヒスタミン薬
フェキソフェナジン塩酸塩 |
アレグラ |
サノフィ |
629億円
(2011/12) |
2000年 国内発売 |
ロラタジン |
クラリチン |
Merck & Co., Inc./
塩野義製薬 |
100億円
(2011/3) |
2002年 国内発売 |
第2世代抗ヒスタミン薬
塩酸セチリジン |
ジルテック |
UCB/グラクソ・スミスクライン/第一三共 |
96億円
(2010/3) |
1998年 国内発売
世界売上 82百万$(2010年) |
第2世代抗ヒスタミン薬
塩酸オロパタジン |
アレロック |
協和発酵キリン |
291億円
(2011/12) |
2001年3月 国内発売
選択的ヒスタミンH1受容体拮抗作用を主作用とする |
プランルカスト水和物カプセル |
オノンカプセル |
小野薬品工業 |
251億円
(2011/3) |
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ベポタスチンベシル酸塩 |
タリオン錠 |
田辺三菱製薬 |
- |
ジェネリック薬あり |
舌下免疫(減感作)療法薬
アレルゲンエキス |
シダトレンスギ花粉舌下液 |
鳥居薬品株式会社 |
- |
2014/01/17 国内承認
2012/09/14 国内第III相臨床試験の速報結果
2010/03/11 スギ花粉エキスの舌下投与による減感作治療薬の開発準備の開始 |
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アレルギー性鼻炎治療薬 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
デキサメタゾンシペシル酸エステル |
エリザス |
日本新薬 |
- |
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ラマトロバン |
バイナス |
日本新薬 |
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塩酸レボカバスチン |
リボスチン |
ジェネリック薬 |
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プロスタグランジンD2受容体拮抗薬 |
S-555739 |
塩野義製薬 |
- |
2012/06/14 後期臨床第2相試験結果 |
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現在、日本全国で関節リウマチに悩む患者は100万人ともいわれ、その数は高齢化にともない年々増加する傾向にあります。男女の割合は1対4と圧倒的に女性に多く、発症年齢は30〜50歳代、とくに40歳代がもっとも多いことがわかっています。その原因には、多くの遺伝因子と喫煙などの環境因子が関与していることが明らかとなっています。 |
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生物学的製剤 |
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関節リウマチ治療は、生物学的製剤の登場で寛解を目標とすることが可能になり、大きく進歩しました。市場に占める生物学的製剤の割合も年々高まっており、2008年には68%となりました。 |
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免疫抑制・調整薬など |
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生物学的製剤以外の抗リウマチ剤では、関節リウマチ治療の第一選択薬として推奨されている免疫抑制剤のメトトレキサートが、生物学的製剤との併用療法により実績を伸ばしています。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
葉酸代謝拮抗剤
メトトレキサート |
リウマトレックス
メトトレキサート |
ファイザー
沢井ほか |
− |
日本における第一選択薬 |
疾患修飾性抗リウマチ薬:DMARD
サラゾスファピリジン |
アザルフィジン |
ファイザー/参天製薬 |
41億円
(2011/3) |
1995年発売 |
疾患修飾性抗リウマチ薬:DMARD
ブシラミン |
リマチル |
参天製薬 |
39億円
(2011/3) |
自社創製品、1987年発売 |
疾患修飾性抗リウマチ薬:DMARD
イグラチモド |
ケアラム
コルベット |
エーザイ/富山化学工業 |
− |
2012/09/12 国内発売
2011/08/31 国内申請 |
ミゾリビン
(免疫抑制薬) |
ブレディニン |
旭化成ファーマ |
65億円
(2011/3) |
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※疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)
DMARD(Disease Modifying Anti-Rheumatic
Drug) は、病気の本態をコントロールするという意味で疾患修飾性抗リウマチ薬と呼ばれています。関節リウマチにおいて炎症を起こす原因と考えられている免疫異常などをコントロールすることが期待されます。
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新しい機序を有する低分子量抗リウマチ薬 |
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関節リウマチの治療は生物製剤の導入で治療成績が向上しましたが、臨床的寛解導入率は3割に過ぎません。生物製剤は高価で、点滴か注射のみのため、治療導入や継続が困難な患者が少なくないなど課題が指摘されています。経口抗リウマチ薬で全く新しいクラスの機序を有するJAK3阻害薬は、代表的なサイトカインの情報伝達分子Jak(janus kinase)を標的とした低分子量抗リウマチ薬です。海外フェーズ3ではDMARDの治療を受けたが十分効果が得られなかった中等度から重度の活動性RA患者(611人)での3カ月後のACR20達成率は、プラセボ群26.7%に対し、5ミリグラム投与群59.8%、同10ミリグラム投与群が65.7%で有意な達成率を示しました。臨床的有効性は1週間以内に発現し、国内で最も汎用されているTNF阻害薬に匹敵する迅速な効果が確認されています。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
JAK(Janus Kinase)阻害剤
(関節リウマチの標的免疫調節薬および疾患修飾薬)
トファシチニブ クエン酸塩 |
XELJANZ
ゼルヤンツ
(経口剤) |
ファイザー/武田薬品工業 |
− |
2013/03/25 国内承認
2012/11/06 米国承認
日本では関節リウマチを対象として臨床第3相試験を実施中。海外では、乾癬、クローン病および潰瘍性大腸炎でも開発を進めている |
JAK(Janus Kinase)阻害剤 |
ASP015K
(経口剤) |
アステラス製薬/ヤンセン・バイオテック |
− |
2012/10/02 ヤンセン・バイオテック社とのライセンス契約締結
関節リウマチ患者を対象とした合計3つの後期第U相臨床試験を米国/欧州、日本で実施中
アステラス製薬起源 |
転写因子AP-1(Activator Protein-1)阻害 |
T-5224
(経口剤) |
富山化学工業 |
− |
AP-1を阻害することにより、炎症や関節破壊を抑える。根本治療薬として期待。
2008/02/08 国内P2開始 |
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脳や脊髄などの中枢神経系の髄鞘が破壊されて発症するもので、自己免疫疾患の一つと考えられています。視力の低下、ものが二重に見える、眼球がふるえる、目の痛みなどの症状のほか、手足がしびれる、手足に力が入らない、大小便の排泄困難や失禁、めまい、しゃべりにくい、ものが飲み込みにくいなど、いろいろな場所に多種多様な症状がみられます。
症状が強く現れたり,病状が和らいだりを繰り返しながら次第に進行していきます。その原因については明らかになっていませんが、何らかの原因で免疫反応に異常がおこり、脳や脊髄などの中枢神経系の髄鞘を攻撃する抗体が出来るためと考えられています。
多発性硬化症は、欧米の白人に多く、北欧では人口10万人に50人から100人位の患者がいます。わが国では比較的まれな疾患で、10万人あたり1〜5人程度とされています。若年成人に発病することが最も多く、平均発病年齢は30歳前後。男女比は1:2〜3位です。患者数の実数は、北米では約40万人、世界中では100万人を超えると推定されています。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
Interferonβ1a |
Avonex
アボネックス
注射剤 |
Biogen Idec |
− |
2011/06/07 AVONEX PEN EUにて承認
1996年 米国で承認、現在90ヵ国以上で使用
2012年 世界売上 2,913百万$ |
natalizumab |
Tysabri
タイサブリ
点滴静注(月1回) |
Biogen Idec
Elan Pharmaceuticals |
− |
2004/11/23 米国で承認
2012年 世界売上 1,135百万$ |
Interferonβ1a |
Rebif
注射剤 |
メルクセローノ |
− |
世界売上 1,218百万EUR |
interferon beta-1b |
Betaferon
(ベタフェロン)
注射剤 |
バイエル薬品 |
− |
世界売上 1,028百万EUR |
再発寛解型多発性硬化症治療薬
Synthetic polypeptides |
Copaxone
注射剤 |
Teva Pharmaceutical |
− |
世界売上 1,713百万$ |
スフィンゴシン1-リン酸塩受容体(S1PR)調節剤
フィンゴリモド塩酸塩 |
Gilenya:ジレニア
イムセラ:国内
(経口剤) |
ノバルティス ファーマ
(田辺三菱製薬) |
− |
2012年 世界売上 1,195百万$
2012/06/14 第III相直接比較試験の継続投与試験 からの新たなデータにおいて長期有効性と安全性が示される
2011/09/26 国内承認(ノバルティス、三井製糖と共同開発)
2011/03/21 欧州承認
2011/02/02 スイスとオーストラリアで承認
2010/09/21 米国承認
2010/09/10 ロシア承認
田辺三菱製薬、三井製糖起源(ノバルティスファーマへ導出) |
ジヒドロオロテート性デヒドロゲナーゼ阻害剤
teriflunomide:テリフルノミド |
AUBAGIO
(経口剤) |
Sanofi |
− |
2013/08/30 欧州承認
2012/09/12 米国承認
2010/08/30 P3試験で良好な結果 |
cladribine:クラドリビン |
(経口剤) |
メルクセローノ |
未発売 |
2011/03/02 FDAが承認を否定
2010/09/24 CHMPが否定的見解
2010/09/03 オーストラリア承認
2010/07/28 FDAが優先審査品目に指定
2010/07/12 ロシア承認 |
Dimethyl Fumarate
フマル酸ジメチル |
TECFIDERA
(BG-12)
(経口剤) |
Biogen Idec |
− |
FDA の審査期日 2013年3月28日
2012/10/12 P3試験で良好な結果
2012/05/09 欧米にて承認申請受領通知
2011/10/21 P3試験で良好な結果 |
alemtuzumab |
LEMTRADA |
Sanofi |
− |
2013/01/28 米国承認申請受領 |
イブジラスト |
MN-166 |
メディシノバ |
− |
2010/07/08 MN-166の作用機序に関する論文掲載
2008/04/08 フェーズ2にて良好な結果
杏林製薬起源 |
スフィンゴシン-1-リン酸(S1P)受容体作動作用 |
ONO-4641
(経口剤) |
小野薬品工業 |
− |
2012/04/17 P2試験(国際共同治験)の結果
2011/10/04 ドイツメルク社とライセンス契約
日米欧三極での国際共同治験 P2
2011年12月の完了を予定
血中のリンパ球をリンパ節にとどめることで病巣へのリンパ球浸潤を抑制 |
imilecleucel-T |
Tcelna |
Opexa Therapeutics
Merck Serono |
− |
2013/02/057 Merck Seronoにライセンス供与
フェーズ2b実施中
ファーストインクラスの新薬 |
Ocrelizumab |
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Genentech/
Biogen Idec |
− |
フェーズ2 |
Laquinimod |
(経口剤) |
Teva/
Active Biotech |
− |
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※FTY720は、冬虫夏草の一種であるlasaria sinclairii菌が産生するミリオシン(myriocin)をリード化合物として、化学修飾により創製された化合物。細胞障害を引き起こすT細胞に直接作用することが特徴で、既存の単剤もしくは既存の免疫抑制剤と併用することで、臓器移植の拒絶反応抑制や自己免疫疾患などの治療薬になると期待されている。
・冬虫夏草から新薬が生まれようとしている(1) 産学官の道しるべ、2010/06
・冬虫夏草から新薬が生まれようとしている(2) 産学官の道しるべ、2010/06
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(神経変性疾患) |
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高齢化社会に突入したわが国では、約100万人を超す人々が認知症疾患に見舞われています。この疾患に対する対策が急務の課題となっています。認知症患者の約半分にあたる人々がアルツハイマー病とされ、依然として増加傾向にあります。
このアルツハイマー病はベータ(β)セクレターゼ(BACE1)とガンマ(γ)セレクターゼと呼ぶ2つの酵素が、アミロイド前駆体タンパク質(APP)を切断し、老人斑を構成するアミロイドベーターペプチド(Aβ)をつくることが原因と考えられています。治療薬の開発もこの2つの酵素の阻害剤がターゲットとなり、世界中が挑戦しています。
現在、アルツハイマー型認知症の治療薬としては、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬などが上市されています。しかし、これらの治療薬は、神経伝達能の増強による症状改善作用を示しますが、アルツハイマー型認知症の病態の進行を抑制することは難しいとされています。
アルツハイマー病 東京都神経科学総合研究所ホームページ
精神神経疾患、脳疾患治療剤及び消化器官用剤の国内市場を調査 2008年4月30日 富士経済
−認知症患者の増大で、抗認知症剤の2016年の市場は1,700億円と予測−
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販売(国内)中のアルツハイマー病治療薬 |
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開発中のアルツハイマー病治療薬 |
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一般名 |
開発番号 |
開発会社 |
国内売上 |
備考 |
機序:神経賦活 |
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a7ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニスト(α7Rアゴニスト) |
EVP-6124
MT-4666 |
EnVivo/
田辺製薬 |
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2014/02/03 国際共同第3相試験を開始
2012/10/31 Phase2b結果
2012/07/18 Phase 2b結果発表
国内P3準備 EnVivo 社起源 |
α7Rアゴニスト |
ABT-126 |
AbbVie |
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経口Ph2 |
α4β2Rアゴニスト |
AZD-1446 |
アストラゼネカ |
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経口Ph2(中断) |
セロトニン5HT6受容体阻害作用
(5-HT6R拮抗) |
Lu AE58054 |
Lundbeck/大塚製薬 |
- |
P3
2013/07/17 AAICでデータを発表
2012/05/29 第2相試験で良好な結果を達成 |
α2cAR拮抗 |
ORM-12741 |
Orion |
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経口Ph2 |
機序:Aβ関係 |
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Aβ抗体
solanezumab
(ソラネツマブ) |
LY2062430 |
イーライ・リリー |
- |
2012/08/24 P3結果(主要評価項目未達成)
アルツハイマー型認知症における進行抑制 |
BACE阻害 |
MK-8931 |
Merck & Co., Inc. |
- |
2012/07/13 AAIC発表
Ph2/3 |
β(ベータ)アミロイドの凝集・沈着を抑えるワクチン |
Lu AF20513 |
Lundbeck/大塚製薬 |
- |
2013/12/11 P1開始 |
gantenerumab
ガンテネルマブ |
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ロシュ
中外製薬 |
- |
Phase 1 |
抗Aβヒトモノクローナル抗体 |
BIIB037 |
エーザイ |
- |
臨床第Tb 相試験を進行中 |
新規モノクローナル抗体 |
BAN2401 |
エーザイ |
- |
アルツハイマー型認知症を惹起させる因子の一つと考えられている、神経毒性を有する可溶性のAβ凝集体に選択的に結合して無毒化、脳内からこれを除去する世界で初めてのモノクローナル抗体
バイオアークティック・ニューロサイエンス社との共同研究 |
BACE阻害剤 |
E2609 |
エーザイ |
- |
2012/07/13 AAIC発表
次世代経口アルツハイマー型認知症治療剤として開発
臨床第U相試験の開始に向けて準備中(2014/03) |
BACE阻害剤 |
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塩野義製薬/
Janssen |
- |
2012/10/31 開発候補品の導出 |
ACC-001 |
PF-05236806 |
Janssen AI and Pfizer
Elan |
- |
Phase 2 |
A? vaccine |
CAD-106 |
Novartis |
- |
Phase 2 |
Beta Amyloid Inhibitor
bapineuzumab
(バピネオズマブ) |
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Janssen AI and Pfizer
Elan |
- |
2012/08/06 開発中止
Phase 3
初のヒト化モノクロナール抗体 |
Beta Secretase(BACE) Inhibitor |
LY2886721 |
イーライ・リリー |
- |
2013/06/13 P2試験中止 |
機序:Aその他 |
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神経細胞保護効果と神経突起伸展促進効果を有し、病態動物モデルでも高い治療効果を示す |
T-817MA |
富山化学工業
(富士フイルム) |
- |
2014/03/17 京都大学iPS細胞研究所と共同研究を開始
2013/12/04 全米最大のアルツハイマー型認知症の研究機関と共同で 臨床試験実施を決定
2013/01/10 国内Ph1開始
2008/05/14 臨床第U相試験を米国で開始
認知症の原因である神経細胞死を抑え、神経突起を伸ばす作用があり、アルツハイマー型認知症の根本治療薬として期待されている |
アルツハイマー病に起因する認知機能障害の発症遅延 |
AD-4833/TOMM40 |
武田薬品工業 |
- |
2013/08/27 臨床第3相試験開始
米・欧P3 |
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アルツハイマー病の原因物質であるベータアミロイド(Aβ)の生成と発症メカニズム |
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パーキンソン病は、高齢者においてアルツハイマー病に次いで2番目に多くみられる慢性神経変性疾患です。世界的な有病率は、65歳以上の約1〜2%と推定されています。
主な症状は、安静時振戦、筋固縮、無動、姿勢反射障害といった運動障害です。
パーキンソン病は、脳内の神経伝達物質の一種である「ドパミン」が減少した結果、神経系にアンバランスが生じて起こる疾患で、その治療には、この減少したドパミンを補充するためのレボドパ(L-DOPA)製剤を用いるのが主流ですが、長期治療により“ウェアリング・オフ現象”と呼ばれる薬効時間の短縮による症状の日内変動や、不随意運動などの運動合併症が生じることが知られています。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
非麦角系選択的ドパミンD2受容体作動薬
プラミペキソール |
ビ・シフロール |
ベーリンガーインゲルハイム |
129億円
(2008/12) |
2011/07/20 徐放性製剤(1日1回投与)国内発売
1997年承認 |
ドパミン・アゴニスト
ゾニサミド |
トレリーフ |
大日本住友製薬 |
53億円
(2012/3) |
2009/3/13発売 |
ドパミン・アゴニスト
カベルゴリン |
カバサール |
ファイザー |
25億円
(2011/3) |
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ドパミン・アゴニスト
ペルゴリドメシル酸塩錠 |
ペルマックス |
協和発酵キリン
(日本イーライリリーより承継) |
21億円
(2011/12) |
1994年8月 日本で承認 |
ドパミン・アゴニスト
ロピニロール塩酸塩 |
レキップ
1日1回服用 |
グラクソ・スミスクライン |
− |
2012/08/28 国内発売
非麦角系ドパミン受容体作動薬 |
パーキンソン症候群治療剤
塩酸ピロヘプチン |
トリモール |
長生堂製薬 |
− |
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パーキンソン病注1治療剤
アポモルヒネ塩酸塩水和物 |
アポカイン |
協和発酵キリン |
− |
2012/03/30 国内承認
英ブリタニアファーマシューティカルズ社起源
米国、英国、フランス、ドイツを含む20カ国以上で承認 |
世界発のアデノシンA2A受容体拮抗薬(ファーストインクラス)
イストラデフィリン |
ノウリアスト |
協和発酵キリン |
− |
2013/05/29 国内販売
2011/06/03 北米におけるライセンス契約の終了
2010/06/03 北米の権利をバイオベールに導出
2007年4月 米国申請
新規作用機序を有する |
長時間作用型COMT 阻害剤
Opicapone |
BIA9-1067 |
Bial
小野薬品工業 |
− |
2013/04/18 Bial 社とのライセンス契約締結
海外P3、国内P1 |
ドパミン・アゴニスト
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ロチゴチン |
大塚製薬 |
− |
2012/01/13 国内承認申請
2011/06/08 パーキンソン病への治療効果を国内臨床第III相試験で確認 |
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L-ドパ製剤 不足しているドパミンを補う
ドパミン受容体刺激薬 ドパミン受容体に直接結合し、抗パーキンソン病効果を示す
抗コリン薬 ドパミンの減少によって優位に立ったアセチルコリンの働きを抑制する
ドパミン放出促進薬 ドパミンを放出している神経を刺激してドパミンの放出を促進する
ノルアドレナリン補充薬 脳内で不足するノルアドレナリンの前駆物質
MAO-B阻害薬 ドパミンの分解を阻害し、ドパミンのドパミン神経への再取込を阻害する |
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参考になるサイト |
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てんかんは、世界保健機関(WHO)では「種々の成因によって起こる慢性の脳障害で、大脳ニューロンの過剰発射の結果起こる反復性発作(てんかん発作)を主な症状とし、これに種々の臨床症状および検査所見を伴うもの」と定義されています。
日本におけるてんかんの有病率は0.5〜1%で、てんかん患者は100万人と推定されていますが、そのうちの3割は、既存の薬物療法ではコントロールできていないとされており、新しい機序の抗てんかん薬の登場が学会や患者団体から熱望されています。
欧州における患者数は約340万人と推定されています。
2009/01/26 てんかん発症の鍵となるタンパク質複合体の働きを解明
(特発性部分てんかんの発症メカニズムの理解へ)
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
ラモトリギン |
ラミクタール |
グラクソ・スミスクライン |
− |
2008年 国内承認
英ウエルカム社(現GSK)にて創製
2010年 世界売上 504百万£ |
トピラマート |
トパマックス/トピナ |
J & J
協和発酵キリン |
9億円
(2009/3) |
2014/01/17 国内承認
2010年 世界売上 538百万$
1995年 英国承認、1996年 米国承認
2007/07/31 国内承認
適応は「ほかの抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作
米マクニール・ファーマシーティカル社にて1979年に創製 |
ガバペンチン |
ガバペン |
ファイザー |
− |
2006年 国内承認 |
ベンゾジアゼピン系
ゾニサミド |
エクセグラン |
大日本住友製薬 |
35億円
(2011/3) |
1989年 国内承認
自社創製 |
ゾネグラン |
Elan
製造販売はエーザイ |
2012/07/03 単剤療法について欧州承認
欧米で販売。米国売上 21億円、欧州売上 38億円
部分てんかんを適応症とする
(大日本住友製薬からの導入品) |
AMPA受容体拮抗剤
perampanel(ペランパネル) |
ファイコンパ
Fycompa
(自社品)
(経口剤) |
エーザイ |
− |
2014/01/02 米国発売(12歳以上のてんかん患者の部分発作に対する併用療法)
2012/09/13 欧州発売(12歳以上のてんかん患者の部分発作に対する併用療法)
国内:第V相試験実施中
自社創製の高選択的、非競合、AMPA型グルタミン酸受容体拮抗作用を持つファースト・イン・クラスの抗てんかん剤 |
ルフィナマイド |
イノベロン |
エーザイ |
未発売 |
2007年 欧州で販売
レノックス・ガストー症候群の併用療法
(ノバルティス社からの導入品) |
Banzel
(バンゼル) |
2011/06/28 カナダ承認
2008/11/14 米国承認(レノックス・ガストー症候群の併用療法)
2011/03/04 米国承認(経口懸濁液:レノックス・ガストー症候群の併用療法)
(ノバルティス社からの導入品) |
eslicarbazepine acetate |
ゼビニクス |
エーザイ |
未発売 |
2009/4/28 欧州で承認
(Bial 社からの導入品) |
STEDESAT |
Sepracor Inc.
(大日本住友製薬の米国子会社) |
2013/02/28 FDA 承認再審査受理
2010/04/30 FDA 審査結果(承認しない)
2009/03/31 米国申請
(Bial 社からの導入品) |
バルプロ酸ナトリウム |
デパケン
セレニカ |
協和発酵キリン
興和創薬 |
112億円
(2011/12) |
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バルビツール系
フェノバルビタール |
フェノバール、
ルミナール |
藤永製薬
純生薬品 |
− |
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エトサクシミド |
ザロンチン
エピレオ |
第一三共
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− |
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レベチラセタム |
イーケプラ |
UCB/大塚製薬 |
− |
2010/09/17 国内販売
1999年 米国で承認
2000年 欧州で承認
「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法」 |
ezogabine(エゾガビン) |
Potiga |
グラクソ・スミスクライン
Valeant |
− |
2011/06/13 FDA承認 |
スチリペントール |
ディアコミット |
Meiji Seikaファルマ |
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2012/09/28 国内承認
仏バイオコデックス社起源
ドラベ症候群治療薬 |
ルフィナミド |
イノベロン |
エーザイ |
− |
2012/08/30 国内承認:レノックス・ガストー症候群
ノバルティス社より導入 |
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統合失調症は神経伝達物質の1つであるドーパミンの働きが過剰になることにより、様々な症状を引き起こす疾患です。ドーパミンの働きが強くなると、幻覚、幻聴、妄想、興奮などの症状が表れたり、神経が過敏になって集中力や注意力が低下したりします。根本的な原因はまだはっきりと解明されていませんが、遺伝やストレスなど、様々な因子が関わっていると考えられています。
統合失調症は、米国だけで2百万から3百万人、世界中では2千4百万人以上が罹患しています。統合失調症は、男女の区別なく同様に発症し、世界的にその率に人種差はありません。日本では約76万人の統合失調症患者が治療を受けており、医療機関を受診していない人を加えると、統合失調症の患者はおよそ100万人にのぼり、有病率は0.7?1.0%と考えられます。 |
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うつ病は誰もがかかりうる病気ですが、特定の社会的要因や生物学的要因によって罹患率が高まります。また一部のうつ病は遺伝性の疾患であり、外因の有無に関わらず発症します。
厚労省によると、2008年の自殺者約3万2千人のうち、動機とされたのは、うつ病が最多で約6400人。うつ病を中心とする「気分障害」の精神疾患の患者数は同年、約104万人で、1999年からの9年間で約60万人増加しています。
世界保健機関(WHO)の統計によると、全世界で約1億2,100万人の人がうつ病に罹患しているといわれています。また、最新の研究によれば、うつ病は、身体障害のおもな原因疾患として上位10位以内であるとされています。2020年までには疾病別医療負担額の第2位にまで浮上するとWHOでは予測しています(資料:WHO、2001年版)。
日本における治療薬の市場規模は約1,000億円と推定されています |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
SSRI
エスシタロプラム |
レクサプロ/シプラレックス |
ルンドベック/フォレスト/レコルダッチ |
− |
2002年に欧米で発売。
2008年 世界売上 3,845百万$ |
レクサプロR錠10mg |
持田製薬
(田辺三菱製薬) |
12億円
(2012/3) |
2011/07/21 国内発売
デンマーク ルンドベック社から導入
田辺三菱製薬と協同販売する |
SSRI
パロキセチン |
パキシル |
グラクソ・スミスクライン
大日本住友製薬 |
590億円
(2008年) |
2012/01/19 大日本住友製薬とコ・プロモーション
1990年に初めてイギリスで承認。世界40ヵ国以上で承認
2000年11月に国内で発売 |
SSRI
フルボキサミンマレイン酸塩 |
デプロメール |
Meiji Seikaファルマ |
92億円
(2009/3) |
2011/06/21 アステラスからアボット ジャパンへ販売移管
日本で最初に発売されたSSRI |
ルボックス |
アステラス製薬 |
82億円
(2011/3) |
SSRI
塩酸セルトラリン |
ゾロフト
ジェイゾロフト |
ファイザー |
− |
1991年に米で承認
日本 2006年7月承認
2010/07/07 パニック障害の二重盲検比較試験結果
2010年 世界売上 532百万$ |
SSRI
フルオキセチン |
プロザック |
イーライリリー |
− |
1988年に米で承認
日本では未承認 |
SNRI
ペンラファキシン |
エフェクサーXR |
ファイザー/アルミラル |
− |
2010年 世界売上 1,718百万$ |
SNRI
デュロキセチン塩酸塩 |
サインバルタ |
イーライリリー/ベーリンガーインゲルハイム
リリー/塩野義製薬
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34億円
(2010/12)
27億円
(2011/3) |
2004年米国で発売、95カ国で承認
2010年 世界売上 3,480百万$
2010年1月 日本で承認 |
SNRI
ミルナシプラン |
トレドミン |
旭化成ファーマ/ヤンセンファーマ |
50億円
(2010/3) |
日本で最初に認可されたSNRI
2000年9月に国内で発売 |
SNRI
デスベンラファキシン |
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ファイザー |
− |
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抗精神病薬
新規ドパミンD2受容体パーシャル・アゴニスト |
ABILIFY |
大塚製薬 |
− |
2012/02/06 欧州にて青年期の双極 I 型障害*1における中等度から重度の躁症状の改善に対する適応追加の取得 |
抗精神病薬
オランザピン |
ジプレキサ*
Zyprexa |
イーライリリー |
− |
2012/02/22 国内承認(双極性障害におけるうつ症状の改善)
非定型抗精神病薬で、1996年に米国で統合失調症治療薬として発売 |
NaSSA
ミルタザピン |
レメロン/リフレックス |
Merck & Co., Inc./Meiji Seikaファルマ |
− |
1994年 オランダで発売
2009年9月 日本で発売
2010年 世界売上 223百万$ |
第二世代の三環系抗うつ剤
塩酸クロミプラミン錠 |
アモキサン |
ファイザー |
− |
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チエノジアゼピン系抗不安薬
エチゾラム |
デパス |
田辺三菱製薬 |
114億円
(2011/3) |
1983年9月 日本にて承認
多くの後発医薬品が存在 |
セロトニン作動性抗不安薬
エチゾラム |
セディール |
大日本住友製薬 |
− |
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ベンゾジアゼピン系抗不安薬
ロフラゼプ酸エチル |
メイラックス |
Seikaファルマ |
− |
1989年9月 日本にて発売
多くの後発医薬品が存在 |
ベンゾジアゼピン系抗不安薬
ロラゼパム |
ワイパックス |
ファイザー |
− |
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非定型抗精神病薬.
ルラシドン塩酸塩 |
LATUDA |
大日本住友製薬 |
− |
2012/06/29 米国における双極T型障害うつに対する適応追加承認取得〜世界初 |
多重作用メカニズム型抗うつ薬
ボルチオキセチン臭化水素酸塩 |
Brintellix
Lu AA21004 |
H. Lundbeck A/S
武田薬品工業 |
− |
2014/01/21 米国発売
2011/05/14 国内P3試験開始
欧州 P−V
Lundbeck社起源 |
モノアミン調節薬 |
Lu AA24530 |
H. Lundbeck A/S
武田薬品工業 |
− |
現在、販売されている抗うつ剤とは異なる作用機序を有する
2010/03/03 P−Vの開始を決定
2007/10/24 欧州 P−U
日本 P−T
Lundbeck社起源 |
新規ドパミンD2受容体パーシャル・アゴニスト
ブレクスピプラゾール |
OPC-34712 |
大塚製薬
. Lundbeck A/S |
− |
2014/01/24 P3試験結果を欧州精神科学会議(EPA 2014)で発表認
2011/05/16 大うつ病に対する臨床第II相試験で有用性を確認 |
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※SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害薬。現在、抗うつ剤の70%以上を占める
※SNRI:セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬。SSRIの次世代の抗うつ剤
※NaSSA:ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬。SSRIやSNRIとは異なる作用機序を持つ |
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不眠症は全人口の約1割が罹患しているとされる睡眠障害で、寝つきが悪い(入眠障害)、眠っても途中で何度も目が覚め、その後なかなか寝付けない(中途覚醒)など、睡眠に関し1つ以上の問題を抱え、翌日の生活機能に支障をきたすこともあります。不眠症患者は男性よりも女性に多く、どの年代でも発症する可能性がありますが、加齢とともに罹患率が上がっています。
現在日本では約2,400万人の方々が睡眠障害で悩んでいると推定されており、今後ますます増加することが予想されています。治療薬の市場規模は約760億円と推定されています。 |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
GABA−A受容体作動薬(ベンゾジアゼピン系薬剤)
超短時間型
トリアゾラム |
ハルシオン |
ファイザー |
− |
後発品:
ミンザイン(日医工)
ハルラック(富士薬品)
パルレオン(大洋薬品)
アサシオン(長生堂製薬)
カムリトン(寿製薬) |
短時間型
ブロチゾラム |
レンドルミン |
ベーリンガーインゲルハイム |
139億円
(2008/12) |
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塩酸リルマザホン |
リスミー |
塩野義製薬 |
− |
1989年 国内承認 |
ロルメタゼパム |
エバミール |
バイエル薬品 |
− |
1990年 国内承認 |
ロルメタゼパム |
ロラメット |
ファイザー |
− |
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中間型
フルニトラゼパム |
ロヒプノール |
中外製薬 |
− |
1970年代前半にロシュが開発 |
フルニトラゼパム |
サイレース |
エーザイ |
− |
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エスタゾラム |
ユーロジン |
武田薬品工業 |
− |
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ニトラゼパム |
ベンザリン |
塩野義製薬 |
− |
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クアゼパム |
ドラール |
久光製薬 |
− |
1999年 国内承認 |
長時間型
ハロキサゾラム |
ソメリン |
第一三共 |
− |
1981年 国内承認 |
塩酸フルラゼパムカプセル |
ダルメート |
共和薬品 |
− |
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フルラゼパム |
インスミン |
キョーリン製薬 |
− |
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(非ベンゾジアゼピン系薬剤)
超短時間型
ゾピクロン |
アモバン |
サノフィ・アベンティス |
51億円
(2009/12) |
1989年 国内承認
仏ローヌ・プーランローラー起源 |
酒石酸ゾルピデム |
マイスリー |
サノフィ・アベンティス/
アステラス製薬 |
327億円
(2011/3) |
世界売上 819百万EUR |
ゾルピデム酒石酸塩 |
ゾルピデム酒石酸塩錠 |
大日本住友製薬 |
− |
2012/02/20 国内承認(ジェネリック医薬品) |
GABA-A受容体作動薬(非ベンゾジアゼピン系薬剤)
エスゾピクロン |
ルネスタ |
セプラコール/大日本住友製薬 |
− |
2004年12月 米国承認(セプラコール)
米国売上 421億円(2012/03)
米国で最も売れている睡眠薬で約40%のシェアを確保
特許期間:2014年2月まで |
エーザイ |
− |
2012/01/18 国内承認
セプラコール(大日本住友製薬)起源 |
メラトニン受容体作動薬
ラメルテオン |
ロゼレム |
武田薬品工業 |
25億円
(2012/3) |
2011/10/07 欧州開発中止
2005年7月 米国承認
2010/04/16 国内承認 |
デュアルオレキシン受容体拮抗薬 |
MK-4305
スボレキサント |
MSD |
− |
2013/07/03 FDAより審査完了報告通知を受領
2012/12/04 国内申請 |
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※1 ベンゾジアゼピン系薬剤; 鎮静・催眠作用のほか,副作用として抗不安作用,運動障害作用,筋弛緩作用も発現します。
※2 非ベンゾジアゼピン系薬剤: 副作用が低減されているので,急速に使用されてきています。
※3 メラトニン作動剤: 従来の不眠症治療剤とは作用機序が異なります。習慣性の認められない不眠症治療薬として期待されています。 |
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(眼疾患) |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
緑内障・高眼圧症治療剤
タフルプロスト |
タプロスミニ点眼液 0.0015% |
参天製薬 |
− |
2013/01/18 国内承認 |
緑内障・高眼圧症治療剤
ブリモニジン酒石酸塩 |
アイファガン点眼液 0.1% |
千寿製薬 |
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2012/05/11 国内発売 |
緑内障・高眼圧症治療剤
ブリモニジン酒石酸塩 |
アイファガン点眼液 0.1% |
キョーリン製薬 |
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2012/04/20 国内発売
米国アラガン社より導入
千寿製薬に導出 |
緑内障・高眼圧症治療剤
トラボプロスト・チモロールマレイン酸塩 |
デュオトラバ配合点眼液 |
日本アルコン |
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2010/04/16 国内承認 |
緑内障・高眼圧症治療剤
ドルゾラミド塩酸塩/チモロールマレイン酸塩 |
コソプト配合点眼液 |
MSD
参天製薬 |
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2010/04/16 国内承認 |
緑内障・高眼圧症治療剤
ラタノプロスト・チモロールマレイン酸塩 |
ザラカム配合点眼液 |
ファイザー |
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2010/01/20 国内承認
日本初の緑内障治療配合剤
2012年 世界売上806百万$ |
緑内障・高眼圧症治療剤
タフルプロスト |
タプロス点眼液 0.0015% |
参天製薬 |
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2008/10/17 国内承認 |
緑内障・高眼圧症治療剤 |
ラタノプロスト点眼液 |
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プロスタグランジン誘導体であるプロスト系緑内障・高眼圧症治療薬 |
緑内障・高眼圧症治療剤 |
レスキュラR点眼液 |
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代謝型プロスタグランジン誘導体であるプロストンを使った世界初の緑内障・高眼圧症治療薬 |
緑内障・高眼圧症治療剤
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開発コード:K-115 |
興和 |
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2011/05/09 P2結果発表
Rho キナーゼ阻害作用を有する |
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一般名 |
ブランド名 |
販売会社 |
国内売上 |
備考 |
滲出型加齢黄斑変性治療のための眼科用VEGF阻害剤
アフリベルセプト(遺伝子組換え) |
アイリーアR硝子体内注射液40mg/mL |
バイエル薬品
参天製薬 |
− |
2012/11/27 国内発売 |
ラニビズマブ(遺伝子組換え) |
ルセンティス硝子体内注射液2.3ミリグラム/0.23ミリグラム
Lucentis |
ノバルティスファーマ |
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2012年 世界売上 2,398百万$
2009/01/21 国内承認 |
加齢黄斑変性症治療剤
ペガプタニブナトリウム |
マクジェン硝子体内注射用キット0.3mg |
ファイザー |
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2008/10/14 国内発売
日本初のアプタマー医薬品 |
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